トムソン・ロイター、知財・サイエンス事業を35億5000万ドルで売却

トムソン・ロイター、知財・サイエンス事業を35億5000万ドルで売却

2016年7月10日、トムソン・ロイターは知的財産・サイエンス事業を35億5千万ドルでオネックス・コーポレーションとベアリング・プライベート・エクイティ・アジア傘下のプライベート・エクイティ・ファンドに売却する予定だと発表しました。(編者注:売却手続きは2016年10月に完了。)ロイターの知的財産・サイエンス事業は、大学、政府、出版社、企業など様々な利害関係者が利用する知的財産、科学情報・データ、その他のツールを提供してきました。同社のビジネス・ポートフォリオには、Web of Science、 Thomson CompuMark、 Thomson Innovation、 MarkMonitor、 Thomson Reuters Cortellis、Thomson IP Managerがあります。


この決定の主な原動力となったのは、中核ビジネスを安定させたいというトムソン・ロイターの願いです。同社の社長兼最高経営責任者(CEO)はプレス・リリースで「この売却が完了すれば、世界の取引と規制が交錯する現場での事業活動により注力できるようになります」と述べています。同社は10億ドル程度で自社株を買い戻し、事業に再投資する計画です。


Web of Scienceは、世界界中の研究者、ジャーナル、出版社、研究機関からアクセスがあり、広く利用されている学術文献データベースです。そのデータベースが売却されるとなると、学術界にもじわじわと影響が出てくるかもしれません。Web of Scienceでは毎年、ジャーナルのインパクトファクターが発表されています。インパクトファクターを重視する姿勢には、近年厳しい批判が集まっており、学術界では「インパクトファクターの話題を一掃する」必要性も議論されています。今回の動きが、学術界におけるインパクトファクターとWeb of Scienceの利用にどのような影響を与えるかについては、引き続き注視していく必要があるでしょう。


参考記事:

Thomson Reuters in $3.55bn sale of IP and science business

Thomson Reuters to Sell Intellectual Property and Science Business for $3.55 Billion

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