引用分析のパイオニア、ユージーン・ガーフィールド氏が死去

引用分析のパイオニア、ユージーン・ガーフィールド氏が死去

研究評価方法の指針を全世界に示したことで学術界に名を刻んだ引用分析のパイオニア、ユージーン・ガーフィールド(Eugene Garfield、1925-2017)氏が、2017年2月26日に91歳で死去しました。


ガーフィールド氏の輝かしいキャリアは、コロンビア大学(ニューヨーク)で化学の学士を取得したところから始まりました。ペンシルベニア大学で言語学の博士号を取得した後、1955年に科学情報研究所(ISI)を設立し、引用分析における同氏の最大の功績であるSCI(Science Citation Index)の開発に従事しました。同氏が提唱したジャーナル・インパクトファクター(JIF/IF)は、当時の学術界に衝撃を与えました。ケンタッキー大学情報科学部助教のC・ショーン・バーンズ(C. Sean Burns)氏は、次のように述べています。「[ISIの]ウェブ・オブ・サイエンスが登場するまで、科学者や研究者の文献検索はきわめて非効率的な作業でした。引用データベースは知的な発明であっただけでなく、工学的な発明でもありました」。


ジャーナルの普及度を測る物差しであったインパクトファクターは、たちまち、研究者や論文の価値を決める基準となりました。ガーフィールド氏と30年以上に渡って共に活動してきたクラリベイト・アナリティクス社のアナリスト、デイビッド・ペンドルバリー(David Pendlebury)氏は、「ガーフィールドは、インパクトファクターの誤用を公然と批判していた」と語っています。それでも、ガーフィールド氏が現代科学に与えた影響は計り知れません。Retraction Watch(撤回監視)の共同創始者であるアイヴァン・オランスキー(Ivan Oransky)氏は、「インパクトファクターが人々にどう思われていようと、彼が学術界の科学者たちに与えた影響は計り知れません。インフォメトリクスは、彼なしでは存在すらしていなかったでしょう」と述べています。ISIと同研究所の引用索引システムは、1992年にトムソン・ロイターが買収し、2016年以降はクラリベイト・アナリティクス社が運営にあたっています。同社は、インパクトファクターは「今も世界中の学術界で使われ、信頼性の高い有効な指標であり続けています」と述べています。


ガーフィールド氏はSCIの産みの父として有名ですが、重要な業績はそれだけではありません。1986年には、学術界で名高いThe Scientist誌を創刊しました。同誌の前共同所有者でFaculty of 1000の創始者であるヴィテック・トラーツ(Vitek Tracz)氏は次のように語っています。「彼は特異な天才でした。想像力や知能が並外れていたのはもちろんですが、とてつもない粘り強さと勇気も持ち合わせていました」。ガーフィールド氏は、妻のメヘル・ガーフィールド(Meher Garfield)氏、子供たち、孫たち、ひ孫たちに支えられ、科学界にその足跡を残しました。研究者たちは、その功績を後世まで称え続けていくことでしょう。


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