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論文出版者への賞与が世界で流行中

中国の研究機関は、インパクトファクターが高い有名な査読付きジャーナルで論文を出版した研究者への賞与システムがあることで知られていますが、その他の国にも同様のインセンティブ制度があることが明らかになりました。一流ジャーナルに論文が掲載された研究者にボーナスを授与することが流行している現状について、Science誌が報告しています。


論文を出版した研究者への賞与システムがある国のうち、金額面でトップに位置するのは中国で、最高額は165,000ドルに上ります。同国の大学は、Nature誌などの一流ジャーナルに掲載された論文の筆頭著者に43,000ドルを授与しています。中国に続くのはサウジアラビアとカタールの中東2ヶ国で、両国の研究機関は、一論文当たり最高13,700ドルの賞金を著者らに授与しており(筆頭著者のシェアが最大)、インパクトファクターが1未満のジャーナルに論文が掲載された場合でも、820ドルの賞金を授与しています。また、インドやパキスタンなどの発展途上国や、英米を含む先進国の大学も、論文を出版した研究者にボーナスを与えています。


このような傾向は、引用データやインパクトファクターの過度な重視につながりかねません。ジョージア州立大学(アトランタ)の経済学者、ポーラ・ステファン(Paula Stephan)氏は、「人間はインセンティブに反応する生き物であり、研究機関は、計量書誌学的指標に依存しすぎている」と述べています。論文出版に伴うボーナスによって、研究者たちの競争がさらに熾烈になり、画期的な科学的発見という研究の「質」よりも、「量」にフォーカスが移っています。


また、論文出版ボーナスのもう1つの欠点は、投稿が一流誌に集中することで、これらのジャーナルの編集者の負担が増大するという点です。ステファン氏は、「特定のジャーナルのみをインセンティブの対象とすることは、システム上、非効率的」としながらも、インセンティブに研究者同士の協力を促すポジティブな側面があることも指摘しています。


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