質問: 指導教官が研究不正をしているようです

質問の内容 -
最近、指導教官が論文を出版したのですが、使われているデータや画像などはすべて、数年前の修士課程の学生の修士論文からのもので、引用を示すことも修正を加えることもなくそのまま使用しています。さらに、自分を第一著者、学生を第二著者、責任著者は自分と学生の両方にしています。これは研究不正ですか?
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回答:

はい、これは以下の不正行為が含まれる研究不正です:

  • (共)著者資格の問題:この点については2つの問題があります。1つは、指導教官自身が論文を書いていないこと。もう1つは、自分を第一著者に、学生を第二著者にしていることです。
  • 二重投稿/出版:修士論文がオンラインで公開されている場合、類似した内容の論文が2つ存在していることになるため、二重出版と見なされます。
  • 自己剽窃:修士論文がオンラインで公開されている場合、学生が第二著者となっているので、その学生が自己剽窃の罪に問われることになります。これは、ジャーナルが剽窃チェックを行えばすぐに発覚するでしょう。
  • 責任著者: 責任著者を2人にすることを認めているジャーナルもありますが、通常は1人です。投稿先が責任著者を1人と定めている場合は、この点も問題になるかもしれません。


総じてこれは、アカデミックハラスメントと呼べるものであり、学術界で頻発している問題です。この回答の最後に類似事例を紹介しているので、参考にしてください。

残念ながら、このような問題に対処するのは容易ではなく、手も足も出せない場合もあります。

ハラスメントの被害者にできるのは、編集者に状況を知らせることです。編集者の対応によっては、論文の審査プロセスの停止やリジェクトにつながることもあるでしょう。その際、ジャーナルには、自分の名前を伏せた状態で対応してもらうようにしましょう。あるいは、匿名でジャーナルに連絡しても構いません。ただ、匿名だとジャーナルが取り合ってくれなかったり、スパムメールとして処理されてしまったりする可能性があります。

指導教官が別のジャーナルに投稿した場合は、その都度、投稿先に不正を知らせなければなりません。これを続けているうちに、不正が報告されていることに指導教官が気付き、何らかの報復をしてくるかもしれません。したがって、このような状況では、とくに若手研究者や学生は、以下の事例にしたがって行動するようにしましょう。

倫理の問題について詳しく知りたい場合は、事例に基づいたコースが参考になるかもしれません:How to ensure ethical authorship when collaborating as researchers

問題が円満に解決されることを願っています。


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