質問: Associate editorの遅い対応

質問の内容 -
IF3程度の、通常は迅速な対応の雑誌です。初回投稿後、査読者選出に5ヶ月、査読期間は10日、AE 判定に3ヶ月を要し8ヶ月でMajor reviseでした。再投稿では何故かまた査読者選出に2ヶ月、査読期間は2日、AE 判定にすでに2.5ヶ月です。幾度か督促メールを送るも改善ありません。考えられる状況や、今できる対応はございますでしょうか。
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回答:

頂いた情報からすると、論文投稿後すでに1年以上が経過しているということになるので、さぞかしもどかしい思いをなさっていることでしょう。ただ、場合によってはさらに長い期間がかかるケースもあります。(23年かかった後にリジェクトされることも。)しかしながら、今回のジャーナルは通常は迅速な対応が行われているとのことなので、それを踏まえてご質問にお答えしたいと思います。


なぜ今回はこれほど長い時間がかかっているのか?

1つの理由として考えられるのは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の混乱によってもたらされた状況の変化です。頂いた情報によると、論文を投稿してから数か月後にCOVID-19が始まったことになるので、これは、査読者を見つけるのに時間がかかったことの説明になるでしょう。急遽テレワークに移行しなければならない状況の中、なかなか態勢が整わなかった人もいるでしょう。今でこそ多くの地域でロックダウンも緩和され、テレワークも軌道に乗り(もしくは職場に人が戻り)ましたが、レビューや意思決定に関わる担当編集者(AE)、査読者、編集長(EIC)たちの書類仕事は、やはり滞りがちです。また一般的に、2巡目の査読は、査読者自身の仕事やほかの原稿のレビューのために遅れがちです。AEの対応の遅れも、同様の理由で生じていると思われます。

別の理由として考えられるのは、IF3ほどのこのジャーナルが、人気の高いジャーナルであるということです。だとすると、膨大な原稿が投稿される中でCOVID-19による業務上の変更があったことで、プロセスのさまざまな段階で目詰まりが起こっていると考えられます。それでも、今ではほとんどのジャーナルが必要な変更を終えて業務をスムーズに進められるようになっているはずです。

とはいえ、これらはすべて憶測にすぎませんので、続いて、この状況で何ができるかを考えてみましょう。


今できることはあるか?

こちからかは以下の対応を提案します。よく検討して、ベストと思われる策を実行してください。

  • AEに再度問い合わせ、前回までよりも明確に緊急性を伝えましょう。投稿後1年以上経つこと、それによって学問上やキャリア上の目標にも影響があることを述べましょう。進歩の速い分野であれば、研究の新規性や意義にも影響するでしょう。
  • AEから反応がない場合や、このジャーナルでの出版経験がある場合は、前回投稿時のAEに問い合わせてみましょう。AEの状況を問い合わせてみるだけでも良いでしょう。そうすれば遅延状況について何らかの情報が得られるかもしれませんし、あなたが急いでいることを現AEに伝えてもらえるかもしれません。
  • 23か月経っても進展がない場合は、原稿を取り下げて別のジャーナルに投稿し直すことも考えましょう。その際は、このジャーナルからの最終判定をいつまで待てるのか、そして別のジャーナルに投稿した場合は投稿から出版までにどれくらいの時間がかかるのかを天秤にかけ、現実的な判断を下す必要があるでしょう。


どれも妙案とは言えないかもしれませんが、それだけ状況も難しいということです。ぜひ、よく検討した上で適切な方法を取ってください。必要に応じて同僚や上司にも相談しましょう。状況が良い方向に進むことを願っています!


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回答:

詳細に大変親切な回答をいただき心より感謝いたします。ご指摘のようにeditorial officeよりは「COVIDの影響で遅れている」「AEはbestを尽くしている」と連絡を受けました。どうも2名の査読者が見つからず、1名の査読者とAEで査読が行われているようであり、遅延の原因となっているかと思われます。

AEへ丁寧な問い合わせをまず行いたいと思います。取り下げも最終手段として検討します。ただ、査読者からは非常に丁寧で適切な査読をいただいており、取り下げは心苦しく、可能な限り避けたいかなとは思っているところです。

大変ありがとうございました。


このコンテンツは「原稿の追跡」ステージに属しています。

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