質問: 機関リポジトリで公開された博論は学会誌に投稿できますか?

質問の内容 -
ドクター様へ。論文博士となり、博論は大学の機関レポジトリに全文公開されています。その一部(一節)を再構成し、一論文に仕上げ、学会誌に投稿しました。論文にはそのことを記してあります。当該学会誌は「オリジナルに限る、他学会誌に発表したものは除外」の規程です。そして査読に通り、まもなく発刊されます。今になって、リポジトリでの公開が先なので、二重投稿となりませんか。
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回答:

頂いた情報を踏まえると、これは二重投稿に該当します。大学の機関リポジトリで公開されたコンテンツや論文のほとんどは、公になっているものです。したがって、あなたが修正を加えた論文を学会誌が出版したとすると、同じ著者による公開済みの2つの似た論文が存在することになり、結果的に二重投稿となってしまいます。


二重投稿の詳細については、以下の記事を参考にしてください:


ジャーナルが規定しているように、求められているのは新規性のある研究です。したがって、あなたの論文をアクセプトするという判断は、オリジナルの博士論文についてすでに伝えてあるということを考えると、少々不可解です。もしかしたら、「寛容」なジャーナルなのかもしれません。これは、新しいジャーナルに見られることがある特徴ですので、同様の観点から、ハゲタカジャーナルでないことを確認した方がいいでしょう。万が一ハゲタカジャーナルだった場合は、論文のアクセプト後に、高額な論文掲載料(APC)を請求されることがあります。ハゲタカジャーナルかどうかを見極めるには、こちらのチェックリストが便利ですハゲタカ出版社を見抜くための10のチェック項目


もしハゲタカジャーナルだったら、原稿を取り下げましょう。その際の理由は、二重投稿に気づかなかったため、ということになるでしょう。


健全なジャーナルである場合は、オリジナル論文との類似性について、再度伝えることをお勧めします。必要に応じてオリジナル論文のリンク先も伝え、その上で先方の判断に委ねましょう。


いずれにせよ、その論文は取り下げるのがベストでしょう。なぜなら、博士論文を書き上げ、研究者としてのキャリアを歩み始めたばかりのところで、非倫理的な出版行為の履歴が残るのは、好ましくないからです。とはいえ、ここでお伝えした情報やアドバイスを参考にして、ベストな決断をされることを願っています。


また、学位論文をジャーナル論文に書き換える方法には、いくつかあります。ジャーナルのすべての要求事項を念頭に置くことが必要ですが、単に論文を構成し直す以外にもやり方があります。具体的な方法については、以下の記事を参考にしてください:


このコンテンツは「ジャーナルへの論文投稿」ステージに属しています。

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