質問: イントロダクションの仮説と結果は一致していることが望ましいですか?

質問の内容 -
論文を書く時は結果と方法を仕上げてから、イントロダクションを書くようにしていますが、研究を始めるきっかけになった仮説と真逆の結果になってしまい、正直に書くか、結果に沿った形の仮説にするか悩んでいます。
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回答:

ほとんどの研究者は、あなたと同じ順番で論文を書くようです。つまり、まずは方法と結果を書き、最後にイントロダクションに取りかかります。しかし、実験について書くなら、何らかの仮説を述べる必要があるはずです。ご質問からは、ある種の期待を持って仮説を立てたものの、結果は仮説を否定するものだったことがうかがえます。しかし、研究のアプローチもしくはデザインの土台に誤りがあったと考えるなら(例えば、撤回済みの論文や不正確なデータに基づくものだったことに後で気づいた等)、それをそのまま述べる必要があります(そのためには、仮説を立て直したり、方法を修正したりする必要があるでしょう)。

今回は、結果が仮説を否定するものだったということのようなので、仮説を裏付けるデータが得られなかったとしても、まったく問題はありません。仮説を立て、実験によってそれを裏付けたり誤りを確認したりすることは、科学的プロセスの手順です。否定的な結果は、科学においては悪いことではなく、科学的プロセスの重要な部分です。否定的な結果が報告されなければ、同じ研究を繰り返そうとする人が、費用、材料、時間を無駄にしてしまうかもしれません。p値ハッキング(phacking)や“HARKing”hypothesizing after the results are known/結果が分かってから仮説を立てる)という行為は、仮説の厳格な検定と相いれず、科学の発展を妨げるものです。残念ながら、肯定的な結果を得た研究の方が、否定的な結果の研究よりも出版されやすいとされています。これは、反証を軽視し、自分に都合の良い情報を重視する傾向を指す「確証バイアス」の結果です。つまり、人は、得られたデータに完璧にマッチする仮説やモデルを立てたくなってしまうのですが、これは非倫理的な行為です。

したがって、ご質問への答えとしては、元々の仮説を正直に述べた上で、なぜ、どのように結果が予想と違ったのかを論じることをお勧めします。そうすることで、新たな解釈を探すことにつながり、別の研究のための新たな仮説が立てられるかもしれません。

最後に、物理学者エンリコ・フェルミの言葉をご紹介しましょう。「結果が仮説に沿っていたなら、あなたは計測したことになる。結果が仮説に反していたなら、あなたは発見したことになる」

おおいに発見しましょう!

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