リバネス研究費:エディテージ受賞者インタビュー(4)多田塁先生

リバネス研究費:エディテージ受賞者インタビュー(4)多田塁先生

今回リバネス研究費エディテージ賞で奨励賞を受賞された多田塁先生(東京薬科大学 助教)にインタビューしました。

 

多田先生奨励賞の受賞、おめでとうございます。受賞された感想をいただけますか?

今回の応募は、外部資金獲得のための初めての申請でした。最初の申請書で受賞することができてとても嬉しいです。まさか私が獲得できるとは思いませんでした。現在、研究の進捗が順調で、よい論文ができるデータが集まってきています。執筆後には、まだ使ったことがない、論文投稿支援パックを使いたいと思います! ありがとうございます。

 

多田先生はどの様な研究をされているのですか?

私は「感染症克服に向けた抗原搭載型リポソームワクチン開発」をしております。高度に医療が発達した現代でも、感染性疾患のコントロールは難しく、世界の死因の25%は感染症によるというデータがあります。これらの感染症(エイズ、インフルエンザ、深在性真菌症)の多くは、粘膜面に感染あるいは粘膜を介して感染が引き起こされています。そこで、粘膜面での病原微生物の侵入を阻止する粘膜ワクチンが感染症疾患に有効であると考えられます。しかしながら、これまでに安全かつ効果的な粘膜ワクチンの実用化には、用いる粘膜アジュバントの毒性や抗原性の面で困難という現状があります。安全で効果的な粘膜ワクチンの開発は、人類の感染症克服への有効な手段ですので、社会的にも大きな意味を持つと考え、研究に取り組んでいます。

 

今後の抱負を教えてください。

この分野の国際化として重要なのは国際的な共同研究が必要であると考えています。その理由として感染症、特に真菌症などの分野では、日本での取り組みがまだ活発に行われていないという現状があります。また近年、日本からの論文数現象から、日本の研究力低下も指摘されています。その改善のために、EUのような国を超えた横の繋がりが今後、より重要になってくると思います。国際誌への論文掲載や、国際学会での優れた発表も必要です。この実現のためにも研究費の獲得が必須であり、国内だけで無く、国際的なグラントも獲得し、研究を続け、成果を出し続けていきたいと思っています。

 

多田塁先生のプロフィール:2003年に東京薬科大学薬学部をご卒業され、同大学大学院にて薬学の博士号を取得されました。卒業後は母校である東京薬科大学、株式会社ADEKA先端材料開発研究所、そしてフランスのInstitute Pasteurで研究をされたのち、今年2012年4月より再び母校の東京薬科大学に戻り、助教として学生への指導と研究、そして後輩達の相談役として活躍されている若手の研究者です。多田先生は世界中で続発する「感染症」の克服に向けた様々な研究をされています。エディテージ 10周年記念の「科研獲得の方法とコツ」のトークイベントにもご参加くださり、暖かいメッセージも頂きました。
 

 

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