イスラエルが韓国を抜き、世界一の研究開発投資国に

イスラエルが韓国を抜き、世界一の研究開発投資国に

2017年2月7日、パリに本部を置くOECD(経済協力開発機構)が、OECD加盟国の2015年の研究開発投資に関するデータを発表しました。発表によると、イスラエルはGDP(国内総生産)の4.25%を研究開発に投資しており、これは世界でもっとも高い割合でした。


これまで科学研究費のGDP比率が世界でもっとも高かったのは韓国でしたが、2016年は4.23%で、わずかにイスラエルに及びませんでした。今回のイスラエルの結果を後押ししたのは、ヘブライ語で”イニシアチブ”を意味する「Yozma」と呼ばれる政府プログラムでした。このプログラムが海外の投資家の興味を引き付け、OECDいわく「イスラエルの長きに渡るイノベーション政策史上、もっとも成功した独創的プログラム」となったのです。


とは言え、基礎研究への投資に関しては、韓国が引き続き世界をリードしています。OECDは基礎研究を「直ちに応用できる方法が明らかではない、新たな知見を得るための研究」と定義していますが、韓国の基礎研究への投資比率が0.73%であるのに対し、イスラエルは0.39%でした。イスラエルは、2017年にはこの比率を5%まで引き上げるという目標を掲げています。


OECDは、中国の動向にも触れています。中国の研究開発投資は、著しい経済成長に伴って、1%未満(2000年)から2.1%(2015年)まで上昇しています。研究開発投資額では、米国が引き続き主役を演じており、全OECD加盟国の総額の40%を占めています。また、今回の報告で浮き彫りになったもう1つの傾向は、政府と産業界による研究開発投資のバランスが変わりつつあるということです。産業界からの投資(2015年は61%)が増加傾向である一方、政府からの投資は31%から27%に落ち込んでいます。


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