質問: 論文博士の学位が取得できるのか質問させて下さい。

質問の内容 -
15年前に修士課程を卒業間近で退学しました。現在、1年程前から研究所に勤務するようになりましたが、仕事の待遇や昇格の為に学位を取得したいと思いやったのですが、仕事をしながら大学院に通うのが難しいのでは無いかと、進学に踏み切れていません。ウェブサイトで知った論文博士についてお伺いしたいのですが、論文博士は大学院に通わずに論文を書けるものなのでしょうか?
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回答:

一般的に論文博士で求められる水準、副論文の本数は、課程博士で求められるものよりも厳しくなります。また、論文博士といえども申請する大学にお世話してくれる教授、いわゆる指導教授をお願いしなければなりません。この教授は申請者のこれまでの研究活動を通して、縁故のある人、共同研究などで申請者の研究内容を十分に承知している人に依頼することになります。これまでに何もご縁のなかった教授が引き受けることはまずないと思っていただいてよろしいかと思います。よって、すでに一定の研究実績を積んでこられて、副論文も十分にあり、論文博士の審査に通すデータをすでにお持ちで、申請しようとする大学にご縁のある教授がいれば論文博士の可能性は大いに期待できます。まだ研究者としての活動を始めたばかりという段階でしたら、課程博士に通われる方が近道です。

回答:

仕事をしながら修士号や博士号を取得しようと考えるのは、立派なことです。そして、そのことについて不安を抱くのは、もっともなことです。


ご質問に答えて選択可能なオプションを示す前に、2つのことをお伝えしておきたいと思います。

  • 修士号を取得する: 博士号を目指す前に、修士号を取得することをお勧めします。これにはいくつか理由があります。あなたは、修士号を取得する直前で退学したとのことなので、もし大学側が認めれば、ごく短期間で修士号を取得できる可能性があります。修士号を取得すれば、博士号を目指す上での信用が高まり、自信もつくはずです。また、仕事をしながら博士号を目指すことが自分にとって妥当かどうかを見きわめる上でも有益でしょう。もちろん、修士号を取得しなくても博士号を目指すことはできますが、修士号があれば、確実に役立ちます。あなたと同じような状況にある人もいるので、よろしければこちらの記事をご覧ください:It took me 7 years to earn my master's degree
  • 現在の職場に相談する: 研究所に勤めて1年ほどということですから(おそらく研究関係の業務であるとお察しします)、そこでのレベルアップを考えることも可能かもしれません。したがって、修士号もしくは博士号の取得に取り組むことのメリットと方法について、上司と話し合ってみることをお勧めします。上司は、あなたの現在の役割と将来の可能性における現実的な側面から、より実践的なアドバイスをしてくれるでしょう。さらに、高等教育の資格取得を目指す上での経済的側面での助言のみならず、経済的支援そのものを受けられる可能性もあります。また、学位の取得に必要な休暇も取れるかもしれません。場合によっては、その他のオプションを示してくれることもあるでしょう。


さて、ご質問への回答としては、以下の選択肢が考えられます。

  • 論文博士号: 今は、論文を提出するだけで博士号を取得することも可能です。そのようなプログラムを用意している機関を調べてみましょう。このオプションはあなたの現在の状況に適しているかもしれませんが、一方で、博士課程に通って取得した場合と比べてデメリットもあります。博士課程に通えば、研究生活に備えてより十分な準備をすることができます。また、同級生や指導教官との交流から得られるものもあるでしょう。とはいえ、あなたの現在の職場でも、こうしたメリットは得られるかもしれません。
  • オンライン博士号: 地理的条件や、特殊な状況(あなたのようなケース)によって、博士課程に通うことが難しい人によっては、こうした方法もあります。最低限の出席が必要となる場合もありますが、それ以外は完全にオンライン化されています。詳しい情報は、ネットで調べてみましょう。
  • 出版物による博士号: このためには、ジャーナルで論文を出版し、それを博士論文として整理する必要があります。これは、ペーパーに基づく学位論文と言われています。詳しくはネットで調べてみてください。
  • Master of Research (MRes): 何らかの理由で以前の大学に戻ることができず、修士課程を修了することができない場合は、MResを検討してみましょう。これは通常、博士号につながる1年間のプログラムで、一人で修士課程に取り組みながら、ときどき大学に行くというものです。これなら、通常の修士課程と同様、研究生活が自分にとって有益かどうかを見きわめることができます。とはいえ、同様の理由から、(その他の選択肢にも言えることですが、)より自主性・自律性が求められます。


分野を問わず、博士号はプライベートでも仕事でも充実感とやりがいを得られるものですが、それ相応の取り組みが求められます。また、家庭生活や仕事上の課題に向き合いながら、ブランクを挟みつつ博士号を取得する人、人生の後半で博士号を取得する人など、実にさまざまなケースがあります。こちらは、少し前にウェビナーで紹介した体験談ですHow I juggled a full-time profession and a PhD at 55


最後になりますが、どのような形がベストなのかを見きわめるために、あなたの現状について、誰かに相談することをぜひ考えてみてください。

どのような道を選んだとしても、あなたの未来が明るいものになることを願っています!


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