質問: 質的研究で、結論を示さずに推論だけ示しても問題ありませんか?

質問の内容 -
質的研究で、結論と推論はどのように使い分けるべきですか?推論を示していれば、結論がなくても問題ありませんか?また、このような考え方を補強する文献はありますか?
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回答:

まずは、結論(Conclusion)、推論(Implication)、そして提言(Recommendation)のそれぞれの意味とその違いを説明します。


結論は、リサーチクエスチョンと研究目的に沿ったものでなければならず、得られた結果が目的にとってどのような意味を持つのか、研究課題について何が分かったのかを述べなければなりません。たとえば、医療従事者のストレスに関する研究テーマなら、その研究を始めた目的に対して、(アンケート調査やフォーカスグループなどの研究手法を通して)得られた結果がどのような意味を持つかを述べる必要があります。

結論は、論文本文の最後に位置するものです。ジャーナルの規定によっては、独立したセクションとする場合もありますし、考察セクションに含まれる場合もあります。したがって、結論は論文の必要不可欠な要素であり、研究とその結果を「まとめる」役割を担っています。


推論は、研究結果が今後の研究にとって何を意味するか、または、それが今後の方針にどのように影響するかを示唆するものです。先ほどの例を用いると、たとえば医療従事者が自身の健康に無頓着であることや、ストレスや不安に対処するための手段が少ないといった点について研究する必要性を述べることです。

推論は、ジャーナルがフォーマットを指定していない限り、結論の一要素となります。したがって、推論も書かなければならない場合が多いでしょう。1つの研究は、1本の論文で完結するものではなく、いくつもの新たな研究への道を開く可能性を持っています。とくに質的研究は、必ずしも「確定的」なものではないため、同じ課題について違った側面から研究を行う必要性を生じさせる可能性があるものです。


提言は、研究結果に基づいて、きわめて具体的な提案をすることです。先ほどの例なら、たとえば医療従事者の労働時間を法律で制限することや、何らかの援助をすることで無料でカウンセリングを受けられるシステムなどを提案することができるでしょう。

提言は論文の必須項目ではありませんが、提言を行う場合は、具体的な研究目的と結果から導き出されるものでなければなりません。提言もまた、結論のセクションに含まれます。


以上をまとめると、質的か量的かに関わらず、研究論文には結論がなければなりません。質的研究の場合は、できれば推論も含めるべきでしょう。また、研究によって正当性が担保されている場合は、提言を含めることもできます。これらのどの要素を論文に組み込むか、そしてどの程度組み込むかは、具体的なリサーチクエスチョンを踏まえて決定する必要があります。

ご質問にある「このような考え方を補強する文献」については、包括的な文献検索を行うとよいでしょう。


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