インド経営学会第3回隔年会議にエディテージが出席

インド経営学会第3回隔年会議にエディテージが出席

2013年12月14日アーメダバード(インド)で開催されたインド経営学会(IAM)第3回隔年会議は、ビジネス・金融のCOEの編集長ニティン・ナーイル(Nitin Nair)にとって、忘れられない体験になりました。会議は名誉あるアーメダバードのインド経営大学院(IIMA)で開かれました。IIMAはインドでも一流のビジネススクールです。ジャーナルのエディター、査読者、教授、研究者、博士課程の学生たちが出席していました。会議のテーマは「こんにちのインド経済の状況から経営理論・実践を再考する」でした。

IAMは、ビジネスと経営の分野で一番すぐれた学術団体の一つである経営アカデミー(AoM)の支部です。1936年に設立されたAoMは世界に約19,000人の会員がおり、一流の経営雑誌をいくつか出版しています。その中に有名な経営アカデミージャーナル (AMJ)があります。AMJのインパクトファクターは5.91です。

1日目

  • 会議は、メタ分析についてのすばらしいワークショップから始まりました。リヒター(Richter1)教授が、メタ分析の方法論、若手研究者にとっての利点、メタ分析が研究の民主化をいかに促進するか、について論じました。
     
  • 引き続き、reflexiveで創造的な方法に関するワークショップが行われました。アルベッソン(Alvesson2)教授は独特のユーモアを交え、研究者はもっと創造的かつ想像的になり、前提を見つけそれに挑戦し、謎を作り出しそれを解決しないといけないとお話しされました。
     
  • 一日目最後のワークショップは、会議での発表の投稿における問題点への対処についてのセッション3 でした。却下されてしまうような基本的な誤りを若手研究者が起こさないようにするのを目的に実施されました。
     
  • アルベッソン2教授は、むなしさの勝利、誇張、現代のビジネス組織におけるゼロサムゲームについて基調講演を行いました。
     
  • IAM特別功労賞は、元IIMA長プラディープ・ケンドワラ(Pradip Khandwalla)が授与されました。
     
  • 一日目の最後は、文化的なイベント、つまりシリ・アスタッド・デブーが単独で踊ったインドの現代ダンスで締めくくられました。

2日目

  • 2日目は、博士課程の学生による発表が多く、マサー(Mathur4)教授が議長を務めるセッションで始まりました。セッションで発表が行われたテーマは、

a. スラム地区の移転におけるガバナンスの役割

b. マイクロファイナンス利用による資産形成が貧困削減に与える、長期的なプラスの効果

c. 臍帯血幹細胞保存についてのよりよいマーケティングと商業化に関する官民パートナーシップの利用

  • ナドカルニ(Nadkarni5 )教授は、戦略的リーダーシップに関する研究の現状、および組織的成果に及ぼす経営者の影響について基調演説を行いました。
     
  • コントラクター(Contractor6 )教授の基調演説では、プロのスポーツチームのたとえが使われ、ネットワークのプラスの効果を通じ戦略的目標を達成するにはチームをまとめることが重要だという話がされました。
     
  • 2日目後半は、The second half of the day began with a session chaired by Professor バガヴァチューラ(Bhagavatula7 )教授が議長を務めるセッションで始まりました。ソーシャルネットワークの効果について、以下のテーマが取り上げられていました。

a. ソーシャルネットワークのサイトにおけるプロフィールの作成と使用法,

b. ネットワークの展開

c. 専門的なリソースのネットワークを構築する

  • 続いて、クンドゥ(Kundu8 )教授が議長のセッションが行われました。テーマは次の通りです。

a. インドの医薬品部門に重点を置いた、革新と国際化の関係における所有権の効果

b. 企業グループの多様性、および国際化と業績の関係.

  • ジョスヴォルド(Tjosvold9 )の基調演説は、建設的な対立と論争の対処に及ぼす、アジア的価値観の影響に関するものでした。
     
  • 2日目はアーメダバードの、歴史的に古い町並みを見学して回るツアーで終わりました。


​3日目

  • IAoM最終日の最初はヴァルマン(Varman10)教授の基調演説は、包括性に挑戦するヘゲモニーに支配されるマーケティング思考についてでした。「ピラミッドの底」に位置するビジネスと貧困緩和の間に明白な食い違いがあることが、問題として取り上げられていました。
     
  • フライ(Fry11 )教授は、基調演説で、ヒューマンシステムの変化を再考し、ここのところの強み革命(strengths revolution)を歓迎しているとお話されました。経営者が統制できるのは自分の身ぶり手ぶりくらいで、よくても相手から受け取る反応に影響を与えることができるだけなのだそうです。
     
  • カナン‐ナラシマハーン(Kannan-Narasimhan12 )教授が議長を務めたシンポジウムは、体系的なイノベーションに合わせた組織的な創意工夫の調整に関するものでした。個人への依存度を減らし、科学と工学をベースにしたプロセスをより強調することで実現しています。参加者はイノベーション、貧困緩和の取り組み、手ごろな価格の住宅におけるイノベーションに関するいくつかの事例を議論しました。
     
  • グローバル化したインドの会社に関するシンポジウム13 では、産業界と学問の世界の両方の視点が提示されました。ヴィクラム・ベクター(Vikram Bector)氏の言葉(「教えることができる、つまりどうするかがわかっている人 (“those who can – do, those who know how to – teach”) 」)と ラムナラヤン(Ramnarayan)教授の言葉(「理屈では答えられない時こそリーダーシップが必要だ(“leadership is necessary when logic is not the answer”)」が印象的でした。
     
  • 最後のワークショップではThe last workshop was chaired by Professor クリシュナン(Krishnan14 )教授が議長を務め、戦略策定における環境、最高経営陣、エントリーモードの役割を議論しました。


会議はネハリカ・ヴォーラ(Neharika Vohra)教授(IIM アーメダバード校)による閉会の言葉で締めくくられ、次の第四回大会は2015年12月にIIMラクナウ校にて開催されることが発表されました。.


参照リスト

1. アンスガー・リヒター(Ansgar Richter)教授 (リバプール大学、マネージメントスクール、イギリス)

2. マッツ・アルベッソン(Mats Alvesson)教授 (ルンド大学、スウェーデン)

3. パワン・ブドゥワール(Pawan Budhwar)教授 (アストン・ビジネス・スクール、イギリス)、ナレシュ・カトリ(Naresh Khatri)教授(ミズーリ大学、アメリカ)、アールティ・ラマスワミ(Aarti Ramaswami)教授 (ESSEC ビジネス・スクール、フランス)

4. ナヴディープ・マサー(Navdeep Mathur)教授 (IIM アーメタバード校)

5. スチェータ・ナドカルニ(Sucheta Nadkarni)教授 (ルボウ・カレッジ・オブ・ビジネス、ドレクセル大学、アメリカ)

6. ノシル・コントラクター(Noshir Contractor)教授(ケロッグ・スクール・オブ・マネージメント、ノースウェスタン大学、アメリカ(Kellogg School of Management, Northwestern University, USA))

7. スレシュ・バハガヴァチューラ(Suresh Bhagavatula)教授(IIM バンガロール校(IIM Bangalore))

8. サミ・クンドゥ(Sumit Kundu)教授(フロリダ国際大学、アメリカ (Florida International University, USA))

9. ディーン・ジョスヴォルド(Dean Tjosvold)教授(香港ビジネス研究所 (Hong Kong Institute of Business Studies))

10.ロヒット・ヴァルマン(Rohit Varman )教授(IIM カルカッタ校(IIM Calcutta))

11. ロナルド・フライ(Ronald Fry)教授(ウェザーヘッド・スクール・オブ・マネージメント、ケース・ウェスタン・リザーブ大学、アメリカ (Weatherhead School of Management, Case Western Reserve University, USA))

12. ランガプリヤ・カナン‐ナラシマハーン(Rangapriya Kannan-Narasimhan)教授(サンディエゴ大学 (University of San Diego))

13. ラジブ・グラティ(Rajiv Gulati)(ランバクシー(Ranbaxy)訳注:インドの製薬会社)、 ヴィクラム・ベクター(Vikram Bector)(タタ・モーターズ (Tata Motors))、S.ラムナラヤン(S. Ramnarayan )(ISBハイデラバード(ISB Hyderabad)訳注:インドのビジネススクール)、 チャールズ・ドゥハンラジ(Charles Dhanraj )(ケリー経営学部(Kelley School of Business)訳注:インディアナ大学の学部)、シュルティ・シャルマ(Shruti Sharma)(IIM アーメダバード校 (IIM Ahmedabad))

14. リシケーシュ・クリシュナン(Rishikesha Krishnan)教授(IIM バンガロール校 (IIM Bangalore))

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