ハゲタカジャーナルで査読を行う研究者たち

ハゲタカジャーナルで査読を行う研究者たち

Publonsのデータベース上のレビューを分析した最近の研究で、1000誌以上のハゲタカジャーナルで査読が行われていることが分かりました。これらのほとんどは、査読や出版の経験が乏しい、アフリカや中東地域出身の若手研究者による査読であることが確認されています。


ハゲタカジャーナルには、「金銭と引き換えに論文を出版し、査読を行わない」というイメージがあります。しかし今回の研究で、Cabell’s Blacklistに掲載されたハゲタカジャーナルの査読報告書6000件以上が、Publonsに登録されていることが分かりました。これは、一般的に信じられていることとは逆に、たとえ査読を実施していたとしてもハゲタカジャーナルである可能性がある、ということを示しています。


Publonsは、強力な検証プロセスを導入していることから、それらの査読が実際の記録であると確信しています。つまり、登録された査読情報は、ジャーナル投稿システム経由で直接追加されたものか、査読者がジャーナルからの認証メールを証拠として転送したものであるということです。したがって、知らず知らずのうちにハゲタカジャーナルで出版してしまう著者がいるように、査読者もまた、ハゲタカという認識のないまま査読を行なっている可能性があるということです。とはいえ、中には、ハゲタカジャーナルと知りながら、自分の業績のために査読を行なっている人もいるようです。


今回の研究結果について述べたNature articleによると、Publonsには少なくとも、Cabell’s Blacklistに載っているジャーナルの10%が登録されています。CabellsのテクニカルディレクターであるLucas Toutloff氏は、このことについて、たとえジャーナルが査読プロセスを採用していたとしても、ジャーナルが不正行為(オフィスの住所や編集委員を偽るなど)を行えば疑わしい出版社として抽出されるので、心配はないと説明しています。


別の可能性として考えられるのは、まっとうなジャーナルであると著者に信じ込ませるためだけに、査読プロセスを導入しているハゲタカジャーナルがあるということです。Hindawi(ロンドン)の研究公正部門トップであるMatt Hodgkinson氏は、「査読者たちを隠れ蓑にして、査読をしているふりをしているのだろう」と述べています。とはいえ、まっとうな査読者たちを巻き込んでいるのなら、突き詰めれば、その人たちの時間と労力が無駄になっているということになります。実際、ハゲタカジャーナルが、論文をアクセプトする前に査読者のコメントや提言を考慮しているのかどうかも不透明です。


ハゲタカジャーナルの疑いがあるものを特定して対処するには、査読プロセスではなく、研究のワークフロー全体に注目した、より全般的なアプローチを取り入れることが重要です。今回の研究を受け、研究機関や助成団体は、研究者にハゲタカジャーナルの査読に関わることへの警告を発する必要があるでしょう。


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