質問: 共著者と連絡が取れない場合,共著者の名前を論文から削除できるか?

質問の内容 -
共著者の一人が転職し,あらかじめ決めていた連絡先にアクセスしても返信がない. 論文誌の査読が終わり,アクセプトされたにも関わらず,この共著者一人の承認が得られず,出版できない可能背がある. 共著者の中で貢献も小さかったため,論文から名前を削除したいと考えている. また,その旨は指定された連絡先に繰り返し送付している.
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回答:

これは、関わっているすべての人たち(あなたとほかの共著者、編集者、連絡のつかない共著者)にとって、困った状況です。あなたを含むほかの共著者たちは、公正に進める努力をし、ここまで最善を尽くしてきたと思われます。一方、公正に進めたいのは編集者も同じで、共著者に変更がある場合は、共著者全員の署名による承認が必要になります。そして、連絡のつかない共著者の方は、自分の貢献が正しく示されることを望んでいるはずですが、残念ながら、現状では意向を確認できません。


この状況をふまえて、以下の対応を提案します。
 

  • 共著者に連絡を取る: すでに何度も連絡を取ろうと試みているとは思いますが、今しばらく続けてみてください。誰かに連絡を取ろうとするときは、共通の友人・知人・同僚を通す、前の職場に連絡してみる、ソーシャルメディアを使うなど、複数の方法があります。これらの方法もすでに試したかもしれませんが、できることはすべてやったということを示すためにも、考えられるあらゆる方法でトライしましょう。出版が台無しにならないように、1か月などの期限を区切って、接触を引き続き試みてください。それでも連絡がつかなければ、次のステップに進みましょう。
  • 共著者の貢献を認める: その共著者の名前を論文から完全に削除するのではなく、Acknowledgements(謝辞)のセクションでその貢献に触れるという手もあります。これは、妥当な「中立案」だと思われます。この方法をとれば、もしその共著者が後で出版論文を見た場合、共著者として名前が載っていなくても、その貢献は認められたということが分かるからです。
  • 編集者に相談する: 上記いずれの場合も、ジャーナル編集者に相談しましょう。なぜなら、共著者を変更する場合、ジャーナルでは、共著者全員が署名した書面での同意が必要になるからです。1人の共著者の確認がとれないということで、ジャーナルとしては、共著者の変更を認めることができないかもしれません。しかし、その共著者に連絡を取るために最大限の努力をしたこと、そして謝辞でその貢献に触れるつもりであることを伝えれば、論文の出版を認めてくれる可能性があります。
  • やり取りの記録をとる: 共著者に連絡を取ろうとしたときの記録と、この件についてジャーナル編集者とやり取りをしたときの記録を残しておきましょう。記録をとっておけば、後でその共著者と連絡がついたときに、連絡を取るためにいかに尽力したかの証拠として示すことができるでしょう。


早い時期に円満に解決することを願っています。


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