質問: 症例報告について教えて下さい

質問の内容 -
過去に症例報告した症例で、その後の治療に関して再度報告したいと考えています。このような場合は二重投稿にあたるのでしょうか。また投稿しようとする場合に気をつける点などありますでしょうか。
1 この質問に答える
回答:

まずは、この症例報告について再び報告することの妥当性を確認しましょう。また、以前の報告の補足として報告するのか、修正として報告するのかを確認しましょう。もし、その後の治療が過去の治療の延長に過ぎないものなら、再度報告するメリットはとくになく、サラミ出版とみなされる恐れがあります。サラミ出版とは、1報の研究論文を「出版可能な最小単位」に切り分け、同じ研究から得られた複数の結果を別々に報告する行為のことです。同じ母集団、方法、リサーチクエスチョンで複数の論文を作成することは非倫理的な行為とみなされ、それらの論文一式をサラミ論文といいます。


しかしながら、関連研究やフォローアップ研究のすべてが非倫理的とみなされるわけではありません。その後の治療について報告する意義があると考えるのなら、過去の症例報告の第二部として発表することが可能です。その場合、出版済みの報告を引用した上で、今回の報告はその後の治療について述べるものだということを明確にする必要があります。また、関連トピックに関する出版済み論文があることをカバーレターに明記し、論文投稿時に、その論文のコピーを添えましょう。


次の記事もおすすめです:

「サラミ法」に隠れた危険:出版の量ではなく質を重視する


このコンテンツは「研究の実施」ステージに属しています。

研究を行うにあたっての基本を学びましょう。エキスパートによる無料の個別コーチングを受けましょう。