世界は科学をどのように認識しているか?:2019年版State of Science Indexで分かったこと

世界は科学をどのように認識しているか?:2019年版State of Science Indexで分かったこと

科学は、私たちの生活と密接に結びついています。すなわち、科学者が研究を行うことの主な目的は、私たちの暮らす世界をより良く知ること、人々の生活をより良くすることだということです。それでは、一般社会はそもそも、科学についてどのような考えを持っているのでしょうか。科学が生活に与える影響について、研究者と同じ認識を持っているのでしょうか?


この問いへの理解を深めるために、科学/イノベーションのグローバル企業である3Mが、計14か国の先進国および発展途上国(カナダ、ドイツ、日本、シンガポール、韓国、スペイン、英国、米国、インド、中国、メキシコ、ポーランド、ブラジル、南アフリカ)を対象としたアンケート調査を行いました。


調査では14,025名から回答が得られ、結果は「State of Science Index: 2019 Global Findings」と題したレポートとして発表されました。「科学に対するイメージ」、「科学のインパクト」、「科学への期待」という3本柱を軸に展開されているこの克明なレポートでは、人々が科学に対して抱いているさまざまな思いや期待が示されています。この記事では、この3つのテーマに沿って、調査結果のハイライトをまとめました。


科学に対するイメージ:世界中の人々が科学に関心を持っている


科学は、世界中の人々の関心対象となっています。一般の人々は科学に対して、以下のような考え方を持っていました:
 

  • 回答者の88%が「科学への基本的な理解は不可欠」と考えており、57%が「自分の科学知識に自信がない」と感じている。
  • 「科学の進歩は将来世代に恩恵をもたらす」との思いから科学への関心を持っている人も多い(59%)。
  • 科学者としてもっとも重要な資質を問う項目では、45%が「好奇心」と回答し、「知性」という回答を上回った。
  • 58%が、「過去に戻れるなら、STEM(科学、技術、工学、数学)分野の職に就きたい」と回答した。
  • 72%が「科学に関心がある」と回答した一方、10%は科学に苦手意識を持つと回答した。


科学のインパクト:科学者は、信頼できるが身近な存在ではない


一般的に、科学者には「しっかりしている」、「信頼できる」というイメージがありますが、一般の人々の科学者へのイメージは、以下のようなものでした:
 

  • 信頼できる科学情報源として、回答者の80%が「科学コミュニティに属する人」を選び、「文書」(77%)や「友人・家族」(61%)を上回った。
  • 科学者へのイメージについて、58%が「科学者はエリート主義的」であると回答し、48%が「科学者は本来あるべき姿ほど倫理的でない」と回答した。
  • 88%が「科学コミュニケーションは重要で、科学的発見は分かりやすい言葉で共有されるべき」と考えており、85%が「科学者は研究結果についてもっと共有すべき」と回答した。
  • 慢性疾患向けのワクチンの開発など、ヘルスケア関連のイノベーションに期待を寄せると回答した人が87%だったのに対し、77%が、ヒトクローンなどの遺伝子組み換え関連技術に恐怖を感じると回答した。


科学への期待:科学に対して楽観的な見方がある一方で、多くの人が懐疑的な考えも持っている


一般社会は科学に対しておおむね楽観的ですが、依然として懐疑的な見方もあります:
 

  • 回答者の87%が「世界が直面する大きな問題を解決するために、科学は不可欠な存在」と考えている一方、63%は「科学は最高の時代をまだ迎えていない」と回答している。

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  • 世界中でさまざまな問題が発生している状況において、47%が「ヘルスケア」を科学の最優先課題と考えており、59%が「ワクチン開発に焦点を当てるべき」と考えている。
  • 71%が、自分たちが生きている間にガンや糖尿病などの治療法が開発されることを期待している。
  • 38%が、科学者間の「相反する意見が多すぎるため、科学に懐疑的になっている」と回答していることから、一般社会には科学に対する懐疑論が明らかに存在する。
  • 53%が、「科学はさまざまな問題の解決策であると同時に、問題の根源でもある」と考えている。
  • 「科学を信じるかどうか」という問いについて、45%が「自分の考えと合致する科学を信じる」と回答した。
  • 日常生活においては、61%が科学よりもテクノロジーを重視している。
  • 23%が、科学を「退屈」と感じており、37%は「科学がもっと分かりやすく説明されたら、関心は高まる」と回答した。


今回の調査結果と前年の調査結果を比較したところ、多くの国で科学への信頼がわずかに低下していることが分かりました。一方、全体として科学を理解することへの関心が高まっていることが示されたことは、プラスの側面と言えるでしょう。一般社会に科学を身近に感じてもらうには、科学コミュニケーションがベストな方法であるということが明らかになりました。


今回の結果についてどう思いますか?科学コミュニケーションを改善するための最善策は何だと思いますか?エディテージ・インサイトのコミュニティで、意見をシェアしましょう。


The State of Science Index: 2019 Global Findings」は、こちらでご覧頂けます。


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