質問: 著者の経歴が論文のアクセプトに影響することはありますか?

質問の内容 -
著者の経歴が、とくにコレスポンディング・オーサーの経歴が論文のアクセプトや編集委員会への心証に影響を与えるというのは本当ですか?所属機関の評判は、どの程度影響を与えるのでしょうか?自誌の被引用数を上げたいジャーナルは、自誌論文を引用するよう著者に働きかけることがあるようですが、高インパクトファクターのジャーナルから論文を引用したら、アクセプトに影響を及ぼすのですか?
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回答:

本来、論文の価値はその質と科学的意義によって決まるべきものです。コレスポンディング・オーサーや所属機関などの評判は、論文の評価に持ち込まれるべきではありません。しかし、残念ながらこれらのバイアスが存在するのは事実で、コレスポンディング・オーサーや所属機関の評価が高いほど、論文がアクセプトされやすい傾向にあることは確かです。とは言え、このバイアスがどの程度働いているかを明言することはできません。完全に個人的なものである場合もありますし、編集者や査読者の無意識による場合もあります。まったく同じクオリティの論文が2本あり、どちらかを選ぶ必要に迫られたら、編集者/査読者は、自分たちのジャーナルで質の高い論文を出版し続けている実績がある方の著者の論文を選ぶかもしれません。また、著者に自誌の論文を引用させるようそれとなく働きかけるジャーナルは確かに存在しますが、高インパクトファクタージャーナルの論文を引用しているかどうかがアクセプトの判断基準になったというケースは聞いたことがありません。

結局のところ、自誌の論文を引用しているかどうかや、バイアスといったものは、論文の総合的価値を判断する上では些細なことです。著者にできるのは、論文の質を高めるよう努め、関連する論文だけを引用するようにすることです。編集者/査読者への心証を良くするための努力をするよりも、論文の質を上げることに力を入れた方が、アクセプトの可能性は間違いなく高まるでしょう。
 

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