質問: Invitationを受けましたが、本物でしょうか?

質問の内容 -
MedRxivのpreprint サーバーに論文を載せておいたら、あるジャーナルからinvitationを受けました。SciMedicine Journal, Italyというジャーナルで、DOAJで検索してもハゲタカに該当しない列記としたジャーナルのようです。こんなうまい話はありますか?
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回答:

ハゲタカかどうかを確認するチェックリストで、SciMedicine Journalについて検討してみました。結果は以下の通りです。

このジャーナルは、編集体制、インデックス、出版元、関連組織などのあらゆる側面から見て、正当なジャーナルであると言えそうです。出版元のItal Publicationは、European High-tech and Emerging Research Association (EUHERA)に加盟していて、英国最大の学術コミュニケーション団体UKSGの会員でもあり、これらはホームページに明記されています。(UKSGの会員リストはこちらから確認できます。)

1つだけ気になるのが、Euheraのホームページの一番下に配置されたソーシャルメディアのアイコンが機能していない点です。つまり、クリックしても新たなウィンドウでEuheraのホームページが開くだけなのです。ジャーナルも出版社も上部団体も、一般的なソーシャルメディアのページを開設していないようです。これは、あらゆることが最初にソーシャルメディアで発信される今日としては、少々不自然な印象があります。

さらに、ジャーナルホームページの右下にあるツイッターのアイコンをクリックすると、ウィンドウが現れ、ジャーナルのリンクと個人名が出てきます(下図参照)。Facebookのアイコンをクリックしても、確認できる情報はありませんでした。

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機能していないアイコンがあるのは、サイトを構築する際にテンプレートをそのまま使って、不要なものを削除しなかったためかもしれません。表示される個人名は、サイト構築に関わった技術者の名前かもしれませんが、これらは憶測にすぎません。

また、ジャーナル名をGoogle検索すると、予測候補として‘scimedicine journal predatory’が自動的に表示されますが、これは、あなたと同様に多くの研究者がこのジャーナルの正当性を確認したがっているためでしょう。

このジャーナルへの懸念は、これが新しいジャーナルであるということによるものだと思います。創刊された2019年からまだ2年も経っておらず、インパクトファクターも付いていませんし、まだ10号までしか発行されていません。そのため、研究者に投稿を呼びかける必要があるものの、その行為がハゲタカ的に見えてしまうのかもしれません。創刊号でも論文の募集が行われていますが、これは妥当な手法です。興味深いのは、このジャーナルが、今のところ完全に無料で出版している点です。これはおそらく、創刊間もない時期なので、可視性を高めるための戦略でしょう。例えるなら、最初の30日間(もしくは1年間)の会費が無料になる新興の映像配信サービスのようなものと考えれば良いかもしれません。

さて、ご質問は、「このジャーナルに論文を投稿してもよいのか」ということだと思いますが、それはあなたの状況と判断次第だという回答になります。これは、私たちがあなたの研究についてよく知らないからということもありますが、理由はほかにもあります。論文をmedRxivに載せたとのことですが、他の研究者からのフィードバックを得て論文を修正し、完成版をジャーナルに投稿するために、論文の草稿をmedRxivのみでシェアしたということでしょうか。もしくは、medRxivに載せるのと同時に、ほかのジャーナルにも投稿済みなのでしょうか。後者の場合は、SciMedicine Journalを含め、現状はどのジャーナルにも投稿できません。前者の場合は、あなたの判断次第です。もっと著名なジャーナルに投稿したいという気持ちがあるかもしれませんし、著名ジャーナルで首尾よく行かなかった場合に備えて選択肢を広げておきたいという思いもあるでしょう。

1つの判断材料として、あなたの論文とこのジャーナルとの相性を確認してみることを提案します。ジャーナルのAboutページからFocus and Scopeのセクションを開くと、Aim and Scopeに、“publishing articles with a special focus on health in developing countries, which highlight the common problems of the region and their possible solutions.” と書かれています。これがあなたの論文のトピックに合うようなら、ほかの要素も考え合わせた上で、投稿先の候補と考えることができるでしょう。逆にこの点が、invitationを辞退する理由にもなります。あなたの研究が日本国内における健康を対象としたものであれば、あなたの論文はこのジャーナルにはふさわしくないということになるからです。

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