編集者が求めているもの:論文掲載というゲームに勝つためのアドバイス

編集者が求めているもの:論文掲載というゲームに勝つためのアドバイス

論文掲載というゲームの複雑さについて適切な助言を与える本として、What Editors Want: an author’ s guide to scientific journal publishing  [1]ほどの本はありません(論文準備に関する章のタイトルには、‘What editors wish you knew’と書かれています。)。第一章では、どんな読者を想定しているか、なぜこの本を読むべきかが明らかにされています。「若い研究者は、今後どんな障害に出会うのか、どうやってゴールにたどり着くか、つまりできるだけ早く労せず論文を掲載できるのか、ほとんど知りません。本書の目的は、こうした初心者である著者のニーズに応えるものです」

著者は最初の方で、この本が研究論文の書き方についての本ではなく、掲載に関する本であると、はっきり述べています。ですから、研究が終わり、結果が分析されていること、研究による発見が新しく妥当であることを前提として始められているのです。はじめの方の章では、研究者が自分の研究が新しいかどうか判断するにはどうしたらよいか、また、投稿するジャーナルをどう選ぶかが述べられています。

この本の画期的な所は、「掲載ゲームにおける」他の「関係者」、つまりジャーナル編集者、出版者と出版マネージャー、司書、メディアの専門家たちによる短いエッセーがある点です。例えば、オーサーシップにおける誠実さに関するScience編集長の意見や、科学研究の発表における倫理問題に関するPNAS (Proceedings of the [US] National Academy of Sciences) の考えを読むことができます。

この本は、著者たちが中国で行ったワークショップをもとにしているので、英語のネイティヴではない研究者にとって、特に役に立つことでしょう。便利な付録には、最新で慎重に選ばれた補足的なリソース、つまり執筆についてのアドバイス、論文やアブストラクトへ自由にアクセスできるデータベース、無料あるいは低コストの画像などが載っています。

要するに、すばらしいシリーズであるChicago Guides to Writing, Editing, and Publishingに、確かに良い本が加わったというわけです。

[1] Benson P J and Silver S C. 2013. What Editors Want: an author’s guide to scientific journal publishing. University of Chicago Press. 178 pp. [The year given in citations and references is the year that appears in the copyright notice; the book under review has already been published.]  

 

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