事例報告と臨床治験における登録被験者の身元保護

事例報告と臨床治験における登録被験者の身元保護

事例:
私たちは、事例報告の編集依頼を受けましたが、そこでは事故の犠牲者に対し行われた大きな顔面手術のことが記述されていました。顔の一部が写っている患者の写真も報告書に含まれていました。まぶたと片方の目の下の部位がひどく負傷していたため、治療の結果を明確にするにはそれらの部位を示さなければなりませんでした。そのため、著者は患者の写真に目隠しをせず、原稿の中でこれに関する説明を行っていました。私たちのエディターが、ジャーナルは患者の身元保護について気にするかもしれないと指摘しましたが、著者は写真の掲載について患者の同意を得ていると述べました。そこで私たちは原稿を編集しましたが、著者が自分は規則に従っており、何ら問題は起こらないだろうと確信していましたので、写真については編集を行いませんでした。

ところが原稿を投稿した後、ジャーナルの査読者により、守秘義務を守るためにはできる限り患者の身元を保護すべきであるとの指示が、著者に与えられたのです。ICMJEガイドラインによると、「非本質的で患者の身元を特定できる詳細は省略すべきであり、患者からインフォームドコンセントを得なければならない」ということです。たとえば、患者の写真を使う場合は目元を隠し、匿名性を守るべきです。しかし、それにより研究の科学的意義をゆがめることがないよう、著者は慎重になる必要があります。


加えて、病歴によると患者がトラウマに苦しんでおり、そのために判断力が一時的に低下していた可能性があるため、写真を発表することについての同意は有効ではありませんでした。ジャーナルは、このような場合、保護者(後見人)からの同意が必要だと述べています。参加者が未成年の場合も同様にするのが妥当です。



行ったこと:
著者は一番良い行動方針を私たちに求めてきました。わが社のエディターは、写真のまぶたは隠さず、目の部分を隠すようにさせました。こうして、患者の身元はわからなくしたまま、まぶたに施した外科的処置が見せることができました。

保護者のインフォームドコンセントに関しては、著者によると患者の両親から事例報告の発表について、口頭では同意を得ているとのことでした。したがって、書面での同意を得ることは、それほど難しくはありませんでした。そこで、訂正した同意文書と、一部を隠した患者の写真をジャーナルに送ったところ、論文は採択されました。

 

要約:
参加者に対する敬意は、倫理的問題として重要であり、厳密に遵守されるべきです。守秘義務を守ることで、参加者のプライバシーに配慮しなければなりません。たとえば、参加者の氏名、生年月日、治療を行った病院など、身元がわかるような個人情報はすべて、記載してはいけません。患者の写真を掲載する必要がある場合は、前もって同意を得ておかなければなりません。さらに、写真に写っていて身元が明らかになる特徴があれば、できる限り隠すようにしてください。 


著者は常に、臨床データの報告に関する倫理的問題を徹底的に研究し、倫理関連のガイドラインを厳格に守る必要があります。臨床治験の参加者の保護に関してICMJE には一連のガイドラインがあります。インフォームドコンセントの仕様について取り上げている詳細な文書がFDAにもあります。まずこうしたガイドラインを研究し、起こりうる倫理的問題について明確な認識を持ち、原稿を投稿する時には必要な書類をすべて準備しておきましょう。 

 

インフォームドコンセントがなぜ重要なのか理解するため、こちらの記事インフォームドコンセントをご覧ください。 

 

 

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