事例研究:インフォームドコンセントの必要性

事例研究:インフォームドコンセントの必要性

事例: その研究は、創傷治癒の新しい技術を提案し、2つのメディカルセンターの患者に針穿刺を行ったというものです。論文では、治験審査委員会から研究に対する倫理的承認を得たと述べられていました。しかしながら、穿刺、治癒、血管穿刺部位の洗浄を行う過程は、インフォームドコンセントなしに行われていました。
 

行為:患者の承諾について情報を提供する際、インフォームドコンセントを過去にさかのぼって得ることにより、状況を是正してもらってもよいかと論文の著者は尋ねてきました。参加者による積極的な承諾なしに行われた人間に対する実験は問題がある、とジャーナルは考えるだろう、また、こうした要請は実験前に行われるべきである、とわが社のエキスパートは著者に説明しました。論文著者はこの件を知らなかったので感謝し、侵襲的方法を含む実験を再度行う、その際は患者からあらかじめインフォームドコンセントを得る、との返事をくれました。

 

要約: インフォームドコンセントでは、患者に施される医学的検査の手続き、リスク、利益を明確に説明し、できれば書面の形で、患者から自発的に同意を得なければなりません。患者、患者の集団、そして(または)ボランティアの被験者に関する研究では、どんなものであってもインフォームドコンセントが必要であり、ジャーナルに投稿する前に、インフォームドコンセントが得られたことについて論文で示さなければいけません。これは、人間を対象とする実験に関して譲ることのできない倫理的要件です。研究プロトコルのとおり、ジャーナルは、著者への教示(投稿規程)の中でインフォームドコンセントの要件について明示すべきです。また、インフォームドコンセントが得られていることを、掲載された論文で示さなければなりません。たいていの場合、インフォームドコンセントが得られていない、あるいは不十分である場合は、査読者か倫理審査委員会のメンバーから警告が出ます。一流と呼ばれる多くのジャーナルでは、 インフォームドコンセントに関する適切な文書がない場合、その論文は却下されるでしょう。倫理に欠けているばかりに研究が掲載の資格がないとみなされないように、大学とジャーナルは、科学研究で求められている倫理要件すべてを研究者に意識させなければなりません。

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