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研究背景の書き方

研究背景の書き方

研究結果は研究のハイライトと言えるものですが、研究背景も同じくらい重要な意味を持っています。整合性のある研究背景は、研究の文脈を設定し、読者が論文を読み進めたくなる役割を果たします。


しかし、多くの著者が研究背景の執筆に苦労しています。また、研究論文に書かせない「背景」と「文献レビュー」の区別も、研究者たちが苦手意識を持っている問題です。混同されやすいこの2つは、それぞれ異なる役割を持っています。この記事では、背景の書き方の基本と、背景と文献レビューとの違いを説明します。


研究背景


研究の文脈は、研究背景によって設定されます。研究背景のセクションでは、研究の重要な側面を理解する上で、特定の研究トピックがなぜ重要なのかを説明します。研究背景は、論文の最初のセクションで述べるのが一般的で、研究の意義や目的を明確にする役割を果たします。


研究背景の構成の仕方


研究背景のセクションでは、研究テーマにたどり着くまでの先行研究の流れを大筋で簡潔に示すのが一般的です。学際的な研究なら、異分野がどのようにつながっているのか、各分野のどの要素が研究対象となるのかを示さなければなりません。


また、研究テーマにおける先行研究の主な知見を簡潔にまとめ、現在の知見に不足している点を明確にしなければなりません。つまり、このセクションでは、研究の概観を示す必要があるということです。研究背景は、以下の内容で構成しましょう:
 

  • 研究テーマにおける既存の知見は何か?
  • 分かっていないこと、究明すべきことは何か?
  • その不足点を究明する意義は何か?
  • 自分の研究の論拠や仮説は何か?


このように、背景のセクションは、研究テーマの概要を述べて研究の目的を明確化するものでなければなりません。目的につながる主要素と関連要素だけを述べて、詳細については文献レビューのセクションで述べましょう。背景のセクションでは、研究テーマの進展度と、対処の必要な不足点を強調するために、先行の知見を時系列に沿って説明しましょう。背景は、先行研究に対する解釈をまとめ、その不足点を埋めるために何を研究するのかを説明するものでなければなりません。


興味をそそる背景を書くには


背景には多くの情報が含まれるので、冗長な文章では読者が興味を失ってしまう可能性があります。興味を持続させるには、研究のメインテーマに沿ったストーリーを構築する必要があるでしょう。


核となるアイデアからストーリーが脱線しないことと、網羅的な文献レビューにならないことに注意しましょう。読者がストーリーを理解し、不足している知見がおのずと把握できるように、1つのアイデアが次のアイデアにつながって行くようにしなければなりません。


背景の執筆でよくあるミスを避けるには


興味を引く背景を書くためには、ミスを回避する必要があります。背景を書く際は、よくある以下のミスに注意しましょう:
 

  • 長すぎる/短すぎる:重要なすべての情報を含めながらも、簡潔に書くことを心掛けましょう。
  • 内容が不明瞭:読者にメッセージが伝わらなくては意味がありません。読者がその研究を詳しく知らないということを念頭に置いて、分かりやすく書きましょう。
  • 関連の薄いテーマを説明する:先行研究の不足点や、研究の新規性および意義など、研究テーマの軸となる要素を中心に説明しましょう。
  • 説明にまとまりがない:先行研究を時系列に沿って説明しないと、読者はその研究テーマの流れをつかめなくなってしまうので、情報を整理してから慎重に書き進めましょう。


研究背景と文献レビューの違い


多くの著者が、研究背景と文献レビューの区別に苦労しています。文献レビューは、背景のセクションに続く2番目のセクションです。文献レビューは基本的に、背景で提示した仮説のエビデンスを示すことによって背景を補完する役割を持っています。このセクションでは、背景セクションで述べたすべての先行研究を、包括的かつ具体的に説明します。研究のエビデンスとなるすべての先行研究について詳しく述べ、現状の傾向についても説明を加えましょう。


文献レビューを書くには、研究テーマの幅広いトピックに関する先行研究を徹底的に調査する必要があります。この作業によって、読者をその研究テーマに導くことができます。これに続いて、研究目的を明確化するさらに具体的な先行研究の調査結果を示しましょう。読者がその研究分野における進展や流れを把握できるように、テーマ別に整理して時系列に沿って紹介するのが理想的です。すなわち、それらの研究分野が時とともにどのように進歩してきたかを強調するために、テーマごとに時系列に沿って述べる必要があるということです。こうすることで、これまでになされてきたことを示し、今後何をしていくべきかといった方針を示すことができます。


文献レビューにおいて重要なのは、先行研究によって分かっていることと分かっていないことを明確に整理することです。ほかの研究で先行研究の不足点を補う試みがなされている場合でも、それがうまくいっていなかったり、より良いアプローチがあったりするかもしれません。文献レビューでこれらの点をカバーできれば、読者に研究の重要性と新規性を伝えることができます。そのためには、関連する先行研究を比較・対照することで、読者にその分野に関する知識を知ってもらう必要があります。

 

研究背景

文献レビュー

論文の最初のセクション

研究背景に続くセクション

研究の文脈を設定する

分野の先行研究を広範かつ具体的に示した包括的なレビュー

歴史的観点から研究の重要性を示す

先行研究の流れと対処すべき不足点を批評的に強調する

先行研究については概要を述べるに留め、詳細は述べない

テーマに関連する先行研究について具体的にレビューする


ジャーナル論文の場合、背景と文献レビューは1つのセクションにまとめるのが一般的です。一方、学位論文では、背景と文献レビューは別のセクションで書きます。背景を書く際は、ターゲットジャーナルの規定をよく確認するようにしましょう。


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