査読者が論文を不採択にする根本的な4つの理由

査読者が論文を不採択にする根本的な4つの理由

査読者として仕事をする中、最近私は3本の論文を不採択にしました。不採択にならないようにするため、これらの論文で見つけた問題をお伝えしたいと思います。



1.    論文タイトルと内容における類似点

3本のうち1本は、同一著者による2本の論文がほとんど同じタイトルだったためです。投稿された論文を読み始めたとき、最初の印象は良かったのですが、その論文と、同一著者が発表した別の論文の類似点があまりに多いようなので、2本を比べてみるよう、ジャーナルに言われました。チェックしてみると、実際に、タイトルの単語が1つ違っているだけでした。たとえば、どちらのタイトルも構文が同じでした。
 

  • The effect of vanadium in superalloys on material properties
     
  • The effect of niobium in superalloys on material properties

実際には、バナジウム(vanadium)とニオブ(niobium)は異なる元素なので重複投稿にはあたらない、と主張することは可能です。しかし、2本の論文には同一の公式や同一の図表も見られました。もう一点興味深いのは、最初の論文が2番目の論文の参考文献に挙げられていないことです。ですから、新しさが欠如していることを理由に、その論文を不採択にしました。
 

2. 所属情報とその他の事実における矛盾
論文で誤りをゼロにするのは、ほとんど不可能です;査読者自信も、自分が投稿した論文を改善させる査読コメントを受け取っています。私も含め、ESLの著者にとっては、何ら言語的な問題点のない英語論文を書くことは非常に難しいものです。けれども、基本的なフォーマットの問題に注意することは必要だと思っています。著者は相当の努力をして論文を書いたのだと、査読者に思わせなければなりません。所属情報(論文の3行目)に誤りがある論文は不採択にしたいと査読者背景かもしれません。所属情報における矛盾について次の例を見てみましょう。

  • University of Wollongong, Mechanical and Electrical Engineering Department, Australia
     
  • Science Department, University of Wollongong, Australia

     

こうした矛盾で、私がネガティヴな印象を持ち、たぶん他の査読者もネガティヴな印象を持つと思われる例をさらに見てみます。

  • Figures 3-18 described the feature of… (論文にはfigures 1、2、3しかない)
     
  • Over the past two decades, the mechanical properties have improved a lot…[99-105] (論文では参考文献は18しか挙げられていない)
     
  • Sam [10] has conducted research on large deformation of the metal deformation behaviour (Samの文献は参考文献リストに載っていない)
     
  • Si [12] has conducted research on large deformation of the metal deformation behaviour (参考文献リストにはSi L. et al. と書かれているが、正しい名前はLi S. et al.である)
     

こうした誤りを行うと、論文を準備するとき著者が十分な努力をしておらず、他者の論文からたくさんの内容をコピーしたと、査読者が思いかねません。
 

3. 文章の流れと発表に、論理が欠如している

通常、論文は、序、研究デザイン、結果、考察、結論からできています。そして、メイン・アイデアが1つあり、それらをすべてつないでいます。論文の論理的な流れがあるからこそ、研究を効果的に叙述することができるのです。たとえば、タイトルが“The effect of vanadium in superalloys on material properties”であれば、超合金の主たる応用と主な合金化元素について述べられ、それに続き、超合金のバナジウムが材料特性に及ぼす影響を探求する理由が述べられるのが、理想です。その次に、どのように実験が行われ、どのように研究が終結したかを説明しなければなりません。私が査読を行った論文は、内容は良かったのですが、各節で異なるテーマを論じていました。また、それらのテーマは完全に異なっていたので、それぞれのテーマを使って独立した論文を書くことができたかもしれません。何ら理由もなく、論文を長くするために、著者がそれらを1つの論文に押し込んだように見えました。

良い論文というものは、必ずしも内容がたくさん必要なわけではないのです;研究を、途切れることのない妥当な思考として伝えるためには、アイデアの論理的な流れが必要なのです。論文が長くみえるようにするため関係のない細かいことを付け加えると、不採択になってしまうかもしれません。

 

4. 研究結果のミス
科学論文とブログ記事の最大の違いは、科学論文が特殊な用語と専門的知識を提供している点です。しかしながら、用語に基本的なミスがあると、査読者から不採択にされる可能性が高いです。たとえば、私が専門としている工学では、2つの異なる用語があります: “応力-歪み曲線(stress - engineering strain curve)” と“真応力-真歪曲線(true stress - true strain curve)”です。どちらの用語にも共通しているところはありますが、まったく同じというわけではありません。‘stress - engineering strain curve’ と‘true stress - true strain curve’を入れ替えて使うことは、非常に基本的なミスになります。

査読者は、強い理由がない限り論文を不採択にしたくないと思っています。論文を掲載させることがすべての著者の夢であることを、わかっているからです。けれども、もし著者があまりに不注意であれば、残された選択肢はなくなってしまいます。ここで論じた問題のいずれかが、あなたの論文にあったなら、採択されるチャンスを増やすため、投稿する前に時間をかけて誤りを直さなければなりません。


こちらのコース「査読コメントに対応する(上級コース)も役に立つと思いますので、参考にしてみてください。

 

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