学術界から産業界へ:校正者の体験談

学術界から産業界へ:校正者の体験談

学術界の外にはどのようなキャリアの選択肢があるのか、考えたことはありますか?私たちエディテージ・インサイトと親会社のエディテージは、柔軟にキャリアパスを模索する研究者をいつも応援しています。

 

そこで今回は、博士課程修了後、学術出版界に進むことを選んだ、エディテージの校正者に話を聞きました。アカデミアの外の世界で待ち受けるもの、転身に伴う心境、活かせるスキルを、体験者の生の声でご紹介できればと思います。

 

Kaivalya Mudholkarは現在、エディテージの生化学、遺伝学、分子生物学の分野でマネージング・エディターを務めており、研究者をきめ細かくサポートしながら論文出版の支援にあたっています。それでは、彼女のこれまでの道のりについて話を聞いてみましょう。

 

経歴と現在の役割を簡単に教えてください。

 

ドイツのフライブルク大学で分子生物学と生化学の博士号を取得しました。博士課程とポスドク時代は、栄養素やストレス要因との関連におけるタンパク質シグナル伝達経路の研究に取り組んでいました。今後も学問を続けるかどうかを決めるために一旦立ち止まったときに(立場の不安定さが心配になったのです)、キャリアと職場文化の両面で自分にぴったりだと思えたCACTUS/Editageとの出会いがありました。アソシエイト・エディターとして働き始め、今は生化学、遺伝学、分子生物学のチームをまとめるポジションに就いています。私の役目は、研究者に優れた商品を提供し続け、成功を後押しすることだと思っています。

 

研究者から、研究者を支える立場に移るときの心境はどのようなものでしたか?

 

ウェットラボでの研究が好きだったので、「企業」の世界に適応できるかどうかは未知数でした。でも、挑戦した甲斐がありました。今の仕事でも、科学は身近にあります。興味深い研究に触れながら、同時に学術コミュニケーションと学術出版の裏側についても学ぶことができます。著者の立場で執筆と出版プロセスを経験した者として、他の誰かを助けられることに大きな喜びを感じています。言語の壁や経験の乏しさが原因で、有意義で興味深い研究が十分に認知されない状況がありますが、これは非常に不公平だと思います。優れた研究は出版され、認知される価値があると考えているので、スムーズな論文出版を支援する今の仕事に、とても満足しています。

 

転身にあたって困難はありましたか?

 

はい、確かに難しい課題もありました。1つは、プロの校正者として適応するための「学び直し」でした。研究者時代は、研究をどのように述べ、提示すべきかについて自分なりの考えがあり、決まったやり方で書いてきました。でも、プロの校正者としては、サービス水準を満たし、顧客である研究者に一貫した品質と成果物を提供するために、定められたガイドラインに従わなければなりません。研究が得意だったとしても、編集・校正・執筆はまた別のスキルです。そのため、元研究者だからといって、優れた校正者になれるわけではないと考えるようにしました。もう1つの課題は、顧客の視点を持つということでした。学術界では、あまり意識する必要のないことです。しかし、企業の現場では、お客様に喜んでもらい、そのニーズを満たすという観点からすべてを考えなければなりません。また、経験を積んで役割が広がるにつれて、人やプロジェクトのマネジメントについても学ぶ必要がありました。これもまったく新しい経験でした。ただ、これらの課題はどれも刺激的で、新鮮で、素晴らしい学びの機会でした。

 

学術界での経験は、現在の役割でどのように活かされていますか?

 

学術界での経験は、非常に役立ったと思います。まず、研究が実際にどのように行われるかを知っていることで、校正原稿を客観的に見ることができました。具体的には、詳細が足りない箇所、抜けている実験、不明確な説明などにすぐに気づくことができたので、原稿の改善にスムーズにつなげることができました。研究者時代に膨大な数の論文を読み、自分でも論文を書いたことは、明確に述べながら読者の関心を引くという効果的な科学的コミュニケーションの訓練になっていたのでしょう。現在のマネージャー職でも、科学的手法を用いています。プロジェクトを試行して影響を分析する際は必ず「コントロールグループ(対照群)」を確保する、さまざまな変数を考慮する、といったことです。アカデミアで身につけたスキルは、決して無駄ではありませんでした。

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