外国人で女性の、私の研究人生

外国人で女性の、私の研究人生
2020年02月21日 1.7k ビュー

外国人女学生だった私は、日常のさまざまな場面で拒絶されてきました。学部で化学を専攻していた頃は、私の英語レベルが不十分で、周囲のネイティブたちよりも劣っていたため、ほかの学生たちは、演習やセミナーで私と同じグループになることを嫌がっていました。修士課程に進むと、私はすべての試験に一発で合格しました。課題やテストで良い点を取るために、全力を注ぎました。すると学部時代に同じグループになることを嫌がっていた同級生たちは、学術界や産業界でのポストを私に奪われるのではないかと警戒し始めました。外国人である私が、自分たちよりも優れた成績をあげていることに驚嘆し、ざわめいていました。


修士課程修了後、計120機関の職や博士課程のポストに応募・出願しました。そのうち約30の機関からは「現時点で女性科学者は求めていない」と返答があり、

20機関からは面接の打診があったものの後に不採用となり、残りの機関からは何の返答もありませんでした。その後、ようやく博士課程に進学する機会を得た私は、すべてのタスクを期日通りにこなせるように全力を尽くし、その後のキャリアに活かせるよう、さまざまな知識を身に付ける努力もしました。この間に得た知識は、現在もおおいに役立っているので、当時の努力は間違っていなかったのだと実感しています。


博士課程修了後、ようやく母国(発展途上国)に戻り、大学の助教のポストに就くことができました。私の母国と大学は、外国で学んできた若い人材が帰国することを歓迎しています。なぜなら、そういう人たちは、母国の発展に貢献できるからです。しかし、大学の最年少教授となった今も、私は国内外の助成金の獲得に四苦八苦しています。認めたくはありませんが、研究分野が同じである場合、女性研究者よりも男性研究者の方が多くの助成金を獲得しています。また、誰が助成金を獲得するかには、汚職が大きく関わっています。この現状を非常に腹立たしく思うこともありますが、このような状況も、時の経過と共に好転していくと信じています。


これまでのさまざまな苦難に耐えてきた自分の人生を振り返ってみると、私の最大の成果は博士号を取得したことではなく、絶望的な状況の中でも決して諦めなかったことだと思っています。

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