惑星滞在シミュレーションとして、200日間の隔離実験を開始―中国

惑星滞在シミュレーションとして、200日間の隔離実験を開始―中国

4人の学生が2部屋の密室で、200日間にわたって外界から遮断された生活を送る――これは、宇宙ステーションを模した閉鎖環境での長期滞在実験、Lunar Palace 365の概要です。2017年7月初旬、将来の宇宙探索を見越した予備的プロジェクトの一環であるこの実験を、北京航空航天大学に所属する宇宙飛行士候補生である4名の学生たちがスタートさせました。


この実験のため、北京郊外に、最小限の資源で生活できる自律型施設が建設されました。閉鎖環境での生活には、さまざまな身体的・精神的困難が伴います。月や火星での限られた資源環境での滞在を想定して、酸素は施設内の植物から生産し、飲料水は尿を再利用したもので賄います。


これだけでも厳しい生活環境ですが、さらに、外界から遮断されて暮らすことによる精神的影響とも向き合う必要があります。日の射さない閉ざされた環境に長期間滞在することによって、うつ症状が引き起こされる可能性も指摘されています。このため、学生らの意欲や幸福度を維持できるよう、日々こなすべきタスクが設定されています。


中国はこの実験を、閉鎖環境での長期間の生活に伴うリスクを把握するためのもの、と位置付けています。中国は、2018年に月の裏側に初の探査機を送り込むことを目指し、宇宙探査で世界をリードすることを見据えています。この実験から得られる知見は、他国の宇宙探査プログラムに追いつくための足掛かりとなるでしょう。

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