エルゼビアとJUSTICEが購読契約提案で合意:アジア初
大手学術出版社のエルゼビアは、日本最大の大学図書館連合である大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)とオープンアクセス(OA)の転換契約を結んだことを発表しました。
2021年1月1日に発効するこの契約は、エルゼビアにとってアジア太平洋地域で初のものです。契約は3年間で、JUSTICEの会員大学に所属する著者は、論文を出版する際に、純粋な購読モデル(完全な有料購読型)か、OA出版(ゴールド、グリーン、もしくは両方を組み合わせたもの)のオプションがある購読モデルを選ぶことができます。また、エルゼビアのプラットフォーム「ScienceDirect」から、同社とその提携学会が出版する2,500誌以上の論文1600万本にアクセスすることができます。
この契約は、JUSTICE OA 2020ロードマップ.で示されたJUSTICEのOA目標に沿ったものであり、日本の研究者にオープンアクセス出版を広めることを後押しすることを想定しています。500以上の図書館が参加するJUSTICEは2011年に設立され、論文出版のOA化の推進に取り組んできました。日本でも、世界と同様に、出版費用は上がり続けています。JUSTICE運営委員会委員長の細川聖二氏は、今回の契約について次のようにコメントしています。「日本のオープンアクセス推進の大きな飛躍へとつながる事を期待しています」。
学術出版社を取り巻く環境が、出版物のオープン化をますます求めるようになってきているなか(代表的なものが、cOAlition SによるPlan S)、エルゼビアはOA化を徐々に進めてきました。2019年にはOAジャーナル100誌を立ち上げ、フルオープンジャーナルは計430誌となりました。そのほか、1900誌のハイブリッドジャーナル (購読モデルとOAモデルが混在)もあります。
近年、エルゼビアは論文出版の盛んな国々と同様の契約を結び、各国のOA目標の達成を支援してきました。日本も、アジア地域における主要な論文出版国の1つです。エルゼビアのエグゼクティブ・バイス・プレジデントであるGino Ussi氏は、今回の契約の経緯について次のように述べています。「我々は、JUSTICE とその会員館が所属する大学と密接に協力し、大学の研究およびオープンアクセスに関する目標を理解することに努めてきました」。
また、大手学術出版社のシュプリンガー・ネイチャーも、2021年1月から開始となるゴールドオープンアクセス出版のオプションについて発表しています。
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今回の合意についてどう思いますか?出版社とアカデミアがOA化を徐々に進めていくことについて、どう考えますか? この流れは学術出版を変えるのでしょうか?あなたのご意見をお聞かせください。
[画像提供 Miguel Padrinan at Pixabay]
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