一流医学論文で女性の第一著者が増加

一流医学論文で女性の第一著者が増加

論文「影響度の高い医学誌における女性第一著者の傾向と比較:観察研究 (1994-2014)Trends and comparison of female first authorship in high impact medical journals: observational study (1994-2014))」で、一流医学誌の原著論文で女性の第一著者が増えていることが報告されています。


筆頭著者のジョバンニ・フィラルド(Giovanni Filardo)氏をはじめとする研究グループは、2012年版Journal Citation Reportsの「医学、一般・内科」カテゴリーから、インパクトファクターの高かった医学誌の上位6誌を選びました。この中にはAnnals of Internal MedicineArchives of Internal MedicineThe BMJJAMAThe Lancet

New England Journal of Medicine (NEJM)が含まれます。そして、第一著者に占める女性の割合を見るために、1994~2014年に出版された論文3860本のデータを集めました。その結果、女性研究者による論文が急激に増加していることが分かりました。1994年には27%だった女性第一著者の割合は、2014年には37%に増加していました。


しかし、残念なことに、The BMJNEMJなど、近年女性著者が減少しているジャーナルもあることが報告されています。また、米国や英国では男女ほぼ同数が医学校に入学するものの、医学部教員に女性が占める割合は30%以下と、男性に比べて少なくなっています。さらに、EUの医学校で指導的立場にある上級職に女性が占める割合は20%以下です。一流ジャーナルや医学校の上級職で女性の割合が少ないという傾向は気がかりです。著者らは、「将来の保健医療政策や臨床業務の基準を決定するエビデンスに、女性が影響を与えたり貢献したりすることを促すような方法や戦略を見極めるため」、男女格差の背景にある理由を調査することが必要だろうと述べています。


ジェンダー格差が存在するゆがんだ状態は学術界でも盛んに議論されているトピックですが、本調査は、この問題に新たな視点を提供していると言えるでしょう。


参考記事:

More women publishing top medical papers (accessed March 8, 2016)

The gender gap in first authorship of research papers (accessed March 8, 2016)

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