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「フィールドの違う研究者たちとのコラボレーションを実現させたい」柳沼秀幸さん(東京大学特任研究員)

Editage Insights | 2014年4月3日 | 2,312 ビュー
柳沼秀幸さん

ご経歴について教えてください。

現在、東京大学工学研究科の応用科学専攻でポスドクをしています。博士号を取ったのは去年で、今は引き続きこちらの研究室で働いています。生物物理学を研究しています。生きている細胞内のエネルギーを消費したり作ったりする仕組みに特に興味があります。われわれにとって身近なエネルギーといえば機械やパソコンを動かすのに使っている電気がありますが、電気は主に化石燃料などの高効率ではあるけれども有限なエネルギー源からつくられています。生物が35億年くらい前から地球で活動して作ったエネルギーを電気という形に変えて使っているわけです。当然ですが、ふつうの機械は電気を供給してやらないと動きません。これに対して、生物は地球上に発電所が登場するはるか前から、太陽光やぶどう糖などの比較的手に入りやすいエネルギー源からエネルギーを取り出して、運動したり情報を処理したりするのに効率よく使っているようにみえます。そういうところが生物は非常に面白いなと思っていまして。今後の未来のためにも生物の中の反応についてもっとくわしく研究していく必要があると思っています。

私が現在研究しているのは、1つ1つの細胞の中でエネルギーはどれくらいあるのかを、細胞を生かしたまま正確に測定するための手法です。細胞内ではエネルギーはATP(アデノシン三リン酸)という物質の形になっているのですが、その量を測定するためのタンパク質でできたセンサーを開発しています。センサーにある波長の光を当てると、異なる波長の光が返ってくるのですが、その光の強度からATPの量が分かるんです。細胞内のエネルギーがどのように適切な量に調節されているのか、という仕組みの解明につながるような研究であると考えています。

 

英語で論文お書きになるかと思うのですが、英語力磨くために日頃心がけていることはありますか?

昔、海外に住んでいたので、日常レベルは問題ないと思います。論文の執筆となると、かなり専門的な言い回しになってくるので、月並みですが、論文を読んでわからない単語や言い回しを調べてメモして、何度も読んでいるうちに覚えていくというやり方をしています。

 

英語で論文書かれる際に苦労されるポイントとは?

特に苦労するのは、数学の表現ですね。何と何を微分してなどの表現の仕方が英語だと難しいですね。座標を表す括弧のつけ方とか。そこの部分は難しかったので、英文校正をして頂いて、嬉しかったですね。あとメソッドの部分も英語で表現しようと思うと意外に難しいですね。実際に英文校正にだしてみると、こういう表現を使えばよかったのか、ということはありましたね。

 

今後はどのような研究者を目指していますか?

まだ駆け出しですので、学ぶところしかないんですが、大きな目的としては、生物の体の反応を使って役に立つ新しい仕組みみたいなものを作れたらいいなと思います。生物に限らず、工学、化学の人たちなど、全然違うフィールドの人たちとコラボレーションして研究をすすめていいくことができたらなと思います。そのときのために、自分の力を高めていくことが必要かなと思っています。


柳沼 秀幸(やぎぬま ひでゆき)さんのプロフィール
1985年生まれ、東京都出身。2009年3月に東京大学理学系研究科で修士号(理学)、2013年6月に大阪大学生命機能研究科で博士号(生命機能学)を取得。
趣味:演劇鑑賞、観賞魚飼育、麻雀
最近Kindleで読んだ本:「ネットのバカ」(新潮新書、中川淳一郎著)(息抜きになったのと、ついついインターネットに夢中になってしまうときがあるので、それを諌める意味でもちょうどよかったです。)

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