売りに出されたオーサーシップ?

売りに出されたオーサーシップ?

お金では何でも買えると考えられています。
原著論文を掲載するジャーナルの中でも、もっとも評判の高いジャーナルの1つであるScienceの論文[1]にあるように、SCI、つまりScience Citation Indexが取り上げているジャーナルの著者資格も含めて。

どうやら、研究論文の正式な採択と、その掲載のわずかの間に著者資格の持ち主が変わる可能性もあるようです。Scienceで報告された事例では、このわずかの間に「合計で4名が著者に加わり、2名が著者を降りました」。


私の考えでは、これは研究を面白おかしくした茶番ですが、市場原理に関するさらにもう1つの事例があります: 需要が供給を大幅に超えた場合、不足により、供給を満たすため違法な手段が生まれます。SCIが取り上げているジャーナルに掲載された論文の著者資格は、この文脈ではそうした不足した商品にあたります。

さらに言うなら、どんなジャーナルでも著者資格は不足しており、その商品を提供できるのが「搾取系ジャーナル(predatory journals)」。つまり、実際のところ、知識を向上させるためというよりは、特研究者は論文を書き、要求された掲載料を払い、搾取系ジャーナルの1つに掲載させます。

Science の論文は広く公開されるだけの価値があり、エディテージ・インサイトの読者のみなさんにも、全文を読まれることをお勧めします。

論文掲載のプレッシャーは大きな被害をもたらします。上で述べた出来事が、そうしたプレッシャーがお金もうけのためにいかに利用されているかを物語っている一方で、もう一つのニュース記事はユーモラスな面を見せています(ただし、深刻である可能性もあります)。
Nature に掲載された先日の論文[2]の報告によれば、「フランス人研究者が、コンピュータ生成のでたらめな研究を発見して以来、シュプリンガーとIEEEは配信サービスから120本の論文を削除している」とのことです。

MITの科学者が開発したソフトは、ほとんど人間が介在することなく自動で、(図や参考文献も備えた)研究論文を生成することができます[3]。

洞察力に富む以下の論文で、この事件が詳しく述べられています。
査読は本当に効果があるか?120本の撤回論文の事例


エディテージ・インサイトは本物の学問の促進に全力を尽くしています。
読者の皆さんは、著者資格への抜け道という望ましくない方法はとらないよう、強く勧めます。



 

[1] Science 342: 1035–1039 [29 November 2013]

DOI:10.1126/science.342.6162.1035

[2]www.nature.com/news/publishers-withdraw-more-than-120-gibberish-papers-1...

[3] http://pdos.csail.mit.edu/scigen/

 

 

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