研究論文での過去形と現在形の使い方

研究論文での過去形と現在形の使い方

英語には精巧な時制システムがありますが、研究論文で一番よく見られる時制は単純過去形と単純現在形で、次が現在完了形と過去完了形です。この場合の「完了形」というのは、「完成した」とか「完全に終了した」という意味で、「完了」形は、2つの出来事を述べたり、それらがいかに時間という点で関連しあっているか明らかにしたりするときに使われます。
 

典型的な研究論文は IMRaD 形式にもとづいており、ある時制がどのくらいの頻度で使われるかは、論文の節によって違ってきます。例えば、「序」では現在形と過去形がどちらも使われますが、「結果」では過去形しか使われません。以下では、単純過去、単純現在、現在完了、過去完了、これら4つの使用法について簡単に説明します。  
 

単純過去: 過去に起こった特定の行為あるいは出来事で、同じ文の中の現在とつながりのないことについて書くときは単純過去を使います。いくつか例を挙げましょう。

  • We selected 5 plants at random.
  • Tanaka reported that 1000 grains of wheat weighed 40 grams.
  • Watson and Crick published their landmark paper on the structure of DNA in 1953.

 

単純現在: 一般に言って真であることや、変化しそうにないことを述べる時は現在形を使います。
例)

  • The sun rises in the east.
  • Human babies generally start speaking when they are two years old.
  • In July and August, it rains in most parts of India.


また、書き手が真と考える研究結果や、当の研究に関係がある研究結果を示すときにも現在形を使います。
例)Robinson maintains that soaking seeds in strong acids help in breaking seed dormancy.

最後に、当の論文に書かれている研究について語るときも現在形が使われます。
例)Section 2.3 discusses the advantages of soaking seeds before sowing them.

 

現在完了形: 現在完了形を使うのは、現在につながっている過去の出来事について語る時、傾向について語る時、最近終わるか始まるかしたばかりの出来事、または今も続いている出来事について書く時です。

例)

  • The use of cell phones or mobile phones to access the Internet has increased recently
     
  • Multi-megawatt turbines have been used in Europe for offshore sites.

 

過去完了形: 過去完了形は、過去の別々の時点で起きた2つの関連のある出来事について述べる時に使われます。

  • By the time they were sown, the seeds had already germinated.
  • Those candidates that had been exposed to radiation earlier were excluded. 

 

関連記事:

研究論文だけを書くのはなぜ?もっと幅広い読者に向けて書いてみよう

学術界でキャリアを積み、出版の旅を歩もうとしている皆様をサポートします!

無制限にアクセスしましょう!登録を行なって、すべてのリソースと活気あふれる研究コミュニティに自由に参加しましょう。

ソーシャルアカウントを使ってワンクリックでサインイン

5万4300人の研究者がここから登録しました。

便利さを実感して頂けましたか?

あなたの周りの研究者にもぜひご紹介ください


このコンテンツは「原稿の執筆」ステージに属しています。

無料の個別コーチングで、優れた研究論文の書き方を学びましょう。