学術研究における倫理的な不正行為の検知:STAP細胞の場合

学術研究における倫理的な不正行為の検知:STAP細胞の場合

STAP 幹細胞の状況は、ここ数週間ソーシャルメディア上で、学術専門の解説者たち(彼らのほとんどがその分野での現役の研究者です)の大きなコミュニティから注目を浴びています。 PubPeer などの研究者フォーラム、Paul Knoepfler が書いているようなブログは、今回のケースの詳細に関わるコメントでいっぱいです。ネイチャーと理研は事態の調査を行うと発表し。

STAPの話が掲載後の審査の例になると信じている人もいます。世界中の研究者によって重要な論評がオープンに行われているということは、ジャーナルの数名の審査者に審査されるより良いことです。ですが、不正な主張を見つけるために、掲載後の評価にだけ頼るのは実践として良いことなのでしょうか?その研究分野での実験プロトコルが本物であることを証明するのには時間とリソースが必要です。そうした訓練により結果が示されるのをいつも待てるわけではありません。もし、その実験プロトコルが幹細胞についてのものでなかったら?また、すべての研究領域が高い注目を浴びることができるわけではありません。もし研究が、もっと目立たない分野で行われていたら?

STAP論文に対する主な関心は方法の再現性に関してではない、という 考えが出てきています。結果がどこかで再現されたとしても、他の論文と類似の記述や画像の流用など、研究の整合性の問題が残ります。現在では、 剽窃や画像の流用・重複は、研究を公にする前に発見されるべきものです。一昔前に比べれば、格段に剽窃を見つけやすくなっています。しかし、ネイチャーほどの一流ジャーナルでも すべての投稿論文から剽窃を排除することができないとしたら、もっと小さなジャーナルが同じことをするとき、発見する機会はあるのでしょうか?

 

研究論文が掲載サイクルに入る前に、チェックポイントが必要なのは明らかです。チェックされることにより、掲載前の、多忙なジャーナル編集者や査読者の負担を減らすだけでなく、掲載後も、不正な研究への知的リソースや公的資金の投入を減らすことができます。

 

 産業界がこうしたチェックポイントの計画・実行のイニシアティヴを担う必要があります。エディテージでは、論文掲載サポートを選択した論文の剽窃チェックを行い、似たような文章がある場合は著者に知らせています。しかしながら、画像流用を発見することはもっと困難です。エディテージは現在、Elsevier Natureのような入手可能な投稿規定に従い、画像が流用・改ざんされている事例を検出しています。論文内の画像を検証するために審査者なら誰でも利用できる、包括的な投稿規定を蓄積しようという計画もあります。こうした手順が、倫理的不正行為を全体として防げるという保証はありませんが、こうした手順がなければ不注意だとレッテルを張られたり、科学の理念に無自覚になるというリスクを負うことになるのです。

 

追伸:アメリカ研究公正局が作成した、研究への参加者を守り、研究上の不正行為を防ぐ問題に関するビデオの予告編を紹介します。The Research Clinicというタイトルの無料のビデオで、3月28日に発行予定です。

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