倫理に関する承認の必要性:ケーススタディ

倫理に関する承認の必要性:ケーススタディ

事例:エディテージは、保健医療に関する論文を書いた、ある途上国在住の著者から連絡を受けました。その研究は観察が主体で、様々なケアに対する患者の反応をベースとしており、医療介入は含まれませんでした。患者からはインフォームドコンセントを取得しており、論文では患者が特定できないようにしていました。しかし、倫理委員会あるいは施設内審査委員会(IRB)の承認が含まれていないという理由で、この論文は最初の審査段階で掲載拒否となりました。著者によると、この研究が行われた彼女の国では、観察を主体とする研究には倫理委員会の承認は必要ないということでした。しかし、論文の投稿先は、倫理委員会の承認が必須とされる国際ジャーナルだったのです。


展開:エディテージは著者に対し、「この研究には倫理委員会の承認が必要ない」ということを文書にして証拠と共に提出することを提案しました。証拠とは、彼女の国で遵守されるべき規定のコピー、あるいは、この研究に倫理委員会の承認は必要ないと述べたIRBのレターです。文書では、「研究がヘルシンキ宣言の倫理規範に準じて行われた」ことにも言及すると良いでしょう。また、この文書は、投稿時に原稿と一緒に提出することが望ましいでしょう。今回の著者は、このような場合にどうすべきかを知らなかったので、我々のアドバイスに感謝の意を示してくれました。その後彼女は、自分の主張を裏付ける、自国のIRBからのレターを入手し、我々は、その国の規定のリンクを含むレターの草稿の作成を手伝いました。彼女がレターと共に論文を投稿すると、編集者は納得し、論文は査読に回されました。


まとめ:人を対象とした研究論文の投稿では、ほとんどの医学および保健医療関連の国際ジャーナルで倫理委員会の承認文書が必要とされます。倫理委員会あるいはIRBによる倫理規定承認は、研究開始前に取得しておかなければなりません。この点におけるIRBの役割は、研究対象となる人を確実に保護することにあります。

研究の手順として、出版される全ての論文に、その研究が倫理規定の承認を受けていることを示す必要があります。しかし、倫理規定の承認に関する規定が国によって異なるために、問題が生じています。特定の国の研究者にとって、国際ジャーナルから出版することが困難となってしまうのです。これらの問題をふまえ、COPEフォーラムでは、倫理審査に関する共通の取り組みを考え、この点で不利な状況に置かれる研究者が生まれないようにするための話し合いが持たれました。正式な倫理審査委員会の承認が得られない場合でも、患者のインフォームドコンセントが得られていて、論文に倫理的な問題がなければ、編集者は出版を検討することが可能です。しかし、そのような場合は、透明性を高めるために、特別な理由によって倫理規定に関する承認を得ていないことを説明した文書を原稿に添えることが望ましいでしょう。

出版社やジャーナルは、倫理規定の順守に関する不備によって論文を出版できないという事態に陥る著者を生み出さないために、科学研究に必要とされる倫理規定に関する認知度を高めて行くよう努力する必要があるでしょう。

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