インフォグラフィックス: 新型コロナウイルスは日韓の研究者にどのような影響を与えたか:エディテージの調査結果

新型コロナウイルスは日韓の研究者にどのような影響を与えたか:エディテージの調査結果

2020年もすでに後半戦に突入しましたが、私たちは依然として新型コロナウイルスと闘い、その影響の大きさや今後への影響を把握しようと奮闘しています。どの分野も同じですが、学術界にも、今後の不透明さによる不安感が現れています。パンデミックが研究者や研究に与える影響について、実状を把握することは非常に困難です。

そこでエディテージは、パンデミックが日本と韓国という研究先進国の研究者に与えた影響を調べました。調査開始日から数ヶ月を遡った期間中に私たちのサービスを利用した両国の研究者を対象に、コロナウイルスの影響に関するアンケート調査を実施しました。

調査では、日本から241名、韓国から299名の回答が得られました。日韓それぞれの調査結果を、インフォグラフィックにまとめました。

 

新型コロナウイルスが日本の研究者に与えた影響-エディテージの調査結果

調査日:2020522
回答者数:241


調査の背景

・回答者の46%が、教授、准教授、助教のいずれかの職に就いている

・約51%が、生命科学、医学、保健分野を専門としている


設問

1. 現在の働き方は?n238

回答者の過半数が、主に職場で働いている。この傾向は、生命科学、医学、保健分野の研究者においてとくに顕著だった。

回答内訳:職場(50%)、主に職場(15%)、主に自宅(11%)、自宅(24%

分野ごとの回答分布

・生命科学/医学(n122

職場(69%)、主に職場(9%)、主に自宅(8%)、自宅(14%

・物理科学、人文・社会科学(n116

職場(31%)、主に職場(21%)、主に自宅(14%)、自宅(34%


2. 新型コロナウイルスが研究活動に及ぼした影響は?n241

回答者の半数が、論文の執筆時間が増えたと回答している。

・論文の執筆時間が増えた(51%

・研究時間が増えた(43%

・研究時間が減った(30%

・とくに影響はない(18%

・その他の影響(7%

・論文の執筆時間が減った(3%


3. コロナウイルスによる科研費の支給額/使い方への影響は?n238

回答者の大半は支給額に影響を受けていない。

・影響なし(37%

・支給額に影響はないが使い方は変わった(22%

・科研費を支給されていない(21%

・分からない(11%

・支給額が減った(8%

・支給額が増えた(2%

 

新型コロナウイルスが韓国の研究者に与えた影響-エディテージによる調査結果

調査日:202064
回答者数:299


調査の背景

・回答者の23%が、教授、准教授、助教、講師のいずれかの職に就いている

・約54%が、生命科学、医学、保健分野を専門としている


設問

1. 現在の働き方は?n299

回答者の大半が職場で働いている。

回答内訳:職場(82%)、主に職場(5%)、主に自宅(5%)、自宅(6%)、その他(2%

分野ごとの回答分布

・生命科学/医学(n162

職場(86%)、主に職場(5%)、主に自宅(2%)、自宅(4%)、その他(2%

・物理科学、人文・社会科学(n137

職場(77%)、主に職場(5%)、主に自宅(8%)、自宅(8%)、その他(1%


2. 新型コロナウイルスが研究活動に及ぼした影響は?n299

回答者の3分の1超が、とくに影響を受けていない。

・とくに影響はない(36%

・論文の執筆時間が増えた(25%

・研究時間が減った(24%

・研究時間が増えた(22%

・論文の執筆時間が減った(14%


3. コロナウイルスによる研究費の支給額/使い方への影響は?n299

回答者の大半は支給額に影響を受けていない。

・影響なし(38%

・研究費を支給されていない(18%

・支給額が減った(16%

・支給額に影響はないが使い方は変わった(15%

・分からない(9%

・支給額が増えた(5%

 

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最後に、今のような危機的状況の中、どのような形で研究者をサポートできるかを把握するために、「私たちに何を求めますか?」と質問しました。その回答は、(1)これまでと変わらないサポートとサービス品質、(2)サービスの割引、というものでした。

これらの要望に応えるために、私たちは次のことを実行しました:

  1. 継続的なサポート:パンデミックによる混乱やロックダウンの影響で、研究者がもっともサポートを必要とする時期に、組織としてサービスを提供する能力に支障が出ないよう努めました。当社スタッフの大半が自宅から仕事をしなければならない状況ですが、安定したシステムによって、今のところ通常通りビジネスを続けることができています。
  2. 新型コロナウイルス関連の論文を対象とする無料校正サービス:今年の初めから、コロナ関連の研究に従事している研究者を対象に、論文校正サービスを無料で提供しています。詳細はこちらのウェブサイトをご覧ください。
  3. 新型コロナウイルス関連研究の大規模な研究リポジトリ:一部の研究者から、パンデミックに関するすべての情報と最新研究が一ヶ所にまとめられた場を望む声がありました。私たちは、コロナ関連の論文やその他リソースへのアクセスを必要とするすべての研究者のために、ワンストップのプラットフォームを開設しました。ぜひご利用ください

ほかにもさまざまな提案が寄せられており、近日中の実用化に向けて現在も慎重に協議を続けています。

今回の調査は、世界中の研究者が直面しているすべての状況を捉えたものではありません。それでも、各国の研究者が大なり小なり新型コロナウイルスの影響を受けています。私たちはその困難を把握し、要望に耳を傾け、可能な限り手を差し伸べるために存在しています。そのことを、世界の研究コミュニティに、ぜひ知っておいてほしいと考えています。

Editage_COVID-19 impact on Japanese researchers.PDF

Editage_COVID-19 impact on Korean researchers.pdf

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