学術論文における生物の学名表記に関する4つのアドバイス

学術論文における生物の学名表記に関する4つのアドバイス

数量化(計算、測定すること)は科学において重要であり、研究とは切っても切れない関係にあるので、測定量を表すために厳格な規則と慣例が、国際単位系(Le Système International d’Unités (SI))という形で発展してきました。生物の命名を定めているのも、それと同様の、精緻で厳格なシステム、あるいはシステム群です。

これらのシステムは、国際動物命名規約(International Code of Zoological Nomenclature、国際細菌命名規約International Code of Nomenclature of Bacteria、国際藻類菌類植物命名規約(International Code of Nomenclature for algae, fungi, and plants)のように、命名規約と呼ばれています。
ここでは、どんな名前にも適用可能な、スタイルに関する 4つの基本的なポイントを取り上げます。

 

たいていの研究論文でよく使われているのは、種の名前です。常にラテン語で書き、2つの部分に分かれています。ですからbinomialという語が使われるのです。

たとえば、イネの学名はOryza sativa といい (Oriza はラテン語のイネ、sativa は栽培品種という意味です) 、人類の学名はHomo sapiens といいます (Homo はラテン語で人間という意味で、Homo sapiens で賢い人という意味です)。最初の部分のHomoは名詞、2番目の部分のsapiensは最初の部分を就職する形容詞です。ですから、2番目の部分は種形容語(specific epithet)と呼ばれています。

 

著者として、種の名前を使うときに意識しておかなければならない、基本的なポイントを注意してみて見ましょう。
 

1. 大文字化

最初の部分は属の名前を表し、常に大文字で始めます。2番目の部分は、種の名前を表しますが、大文字にしてはいけません。 
著者が覚えておかなければならないことは、ドットの前に一つだけ文字が来る場合(たとえば T. turgidum(訳注;Triticum turgidumの省略形。リベットコムギ)、マイクロソフト社のワードではドットはピリオドとみなされるので、自動的に次の字を大文字に変えてしまうということです。

けれども、種の名前は大文字から始めてはいけません。1文字の省略形から文を始めることができるかどうかは、ジャーナルによってスタイルが異なるポイントです。 許容するジャーナルもあれば、前にその語が出てきた時に略さず書いてあっても、属名であれば必ず完全体で書くよう求めるジャーナルもあります。


2. イタリック体

これらのbinomials(二名式)は、イタリック体で書きますが、イタリック体は、その周りの本文と学名を区別するためのものであると覚えておくと役に立ちます: 周りの文章がもしイタリック体で書かれていたら、学名は普通にまっすぐ立たせた文字で書きます。 

 

3. 省略形

初出時には完全なbinomialで書き、それ以後は属名を省略してイニシャルだけにすることが多いです。

例:‘The most commonly grown species of wheat is Triticum aestivum, or common or bread wheat. Macaroni wheat is T. turgidum and emmer wheat is T. dicoccum.’ 

論文では、様々な属に属する種について論じることがあるかもしれません。Solanum tuberosum (ジャガイモ) とSorghum bicolor (モロコシ、キビ)のように、偶然イニシャルが同じになる属もあるでしょう。

属名については3文字の省略形を使ってもよいとする規約もありますが、Scientific Style and Format では、明確に、3文字の省略形を使わせないようにしています[1, p. 379]。

 

4. 詳細不明の種への言及

時には、正確に種を特定せず、一つ以上の種について言及しなければならないことがあります。つまりbinominalの2番目の部分を述べないということです。
そういう場合は、慣例として‘sp.’ (単数形)あるいは‘spp.’ (複数形)を使います。
たとえば、‘several Triticum spp. were compared’とか‘the collection included two specimens of Zea mays, three of Oryza sativa, and one of Sorghum sp.’ のように書きます。


このように省略された語は、イタリック体で書かず、いつも最後にドットをつけることを覚えておいてください。


 

[1] CSE, Style Manual Committee. 2014. Scientific Style and Format: the CSE manual for authors, editors, and publishers, 8th edn. Wheat Ridge, Colorado, USA: Council of Science Editors. 722 pp.

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