故人を共著者に含めてもよいのか?(ケーススタディ)

故人を共著者に含めてもよいのか?(ケーススタディ)

事例: ある研究論文の著者たちが、異例の事態に直面しました。共著者の一人であった研究者が亡くなったのです。論文はまだ執筆を始めたばかりの段階で、残りのメンバーは、故人を共著者として含めるべきかどうか決めかねていました。故人の名を共著者として掲載することに賛成の人もいれば、反対の人もいました。論文の執筆そのものへの故人の貢献度は低いため、共著者として名前を掲載することは倫理に反するので、どちらかというと謝辞に含めることが妥当ではないかと思われました。さらに「共著者」は論文原稿の最終版を承認しなければならないことから、故人の名前を共著者に含めると、論文の発表に影響が出るのではないかとの懸念もありました。この問題を解決するため、責任著者(corresponding author)がエディテージに助けを求めました。


対応: エディテージは、著者資格(オーサーシップ)は研究や論文の準備に意義深い貢献をした人物だけに与えられることが望ましいと説明しました。しかし、故人となった研究者は論文の執筆準備の初期段階で多大な知的貢献をしており、論文の内容に深く関与していたという事実がありました。それを考えると、ジャーナル編集者が反対しない限り、彼にも著者資格が与えられるべきだと思われました。エディテージは、この状況とジレンマをジャーナル編集者に伝え、アドバイスを求めるよう提案しました。著者たちがこの提案を受け入れ、ジャーナル編集者に問題を伝えたところ、故人を共著者に含めてもよいというエディテージの見解に同意が得られました。ジャーナル編集者からはさらに、脚注にその共著者が死去した旨と、死去した日付を入れるよう指示がありました。


まとめ: ICMJE統一投稿規定では、著者資格を付与され得るのは、研究に意義深い知的貢献をした人、論文の執筆過程に深く関わった人、論文の最終版を承認した人、研究に対する責任を負うことに合意した人のみであるとしています。ほとんどのジャーナル・出版社・学会は、研究仲間が死去した場合、故人の貢献に対して学術出版上どのように対処すべきかについて明確な規定を設けています。

例えば、 BMJ(British Medical Journal)は以下のような規定を設けています:

「著者に値する人物が死去した場合は、著者名にダガー記号(短剣符、†)を添え、脚注にその著者が死去した旨と死去の日付を記載する。例:†2014年10月10日死去(†Deceased 10 October 2014)」

また、科学編集者評議会(Council of Science Editors)の出版倫理に関する白書

では次のように述べられています:

「その他の場合も、状況によっては著者資格が認められる場合がある。例えば、グループとしての著者、死去した著者、障害を負った著者などが該当する」

生死にかかわらず、研究に貢献した人を認めることは重要です。しかし、研究や論文原稿の準備中や、投稿準備中に研究仲間が死去した場合、その貢献が著者資格に値するかどうかを判断するのは共著者の責任です。著者資格を与えられるほど重要な貢献をしていない場合、死去した人の貢献は、論文の謝辞で示しましょう。このような問題が生じた場合は、投稿時に必ずその旨をジャーナル編集者に伝えましょう。


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