若手研究者の挑戦する自由を支えるために〜エディテージ・グラント2023の舞台裏(前編)

2023年7月21日に「エディテージ・グラント2023授与式」を開催しました。このイベントは1年かけてエディテージが実施した「若手研究者助成金プログラム エディテージ・グラント」の集大成。グラントを授与された方々とゲスト、総勢80名を招いて、アットホームな雰囲気の授与式とミニシンポジウム・パーティーをご用意させていただきました。この記事では、エディテージ・グラントのこれまでの歩みと、イベントの模様をダイジェストでお伝えします。高速でイベントの内容を知りたい方のために、雰囲気が伝わる短い動画をご用意しました!まずはこちらをご覧ください。

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受賞者とゲストが集ったグラント授与式

会場となった東京・銀座のレストラン「エボルタ銀座プレミア」には、開場の18:45から続々参加者の方が集結しました。お客様を待ち構えるのはエディテージのスタッフ8名。。今回の主役は、受賞者20名と、審査員の皆様。そして、お祝いをしていただくゲストとして、グラント申請者、過去のグラント受賞者、アカデミアの第一線で活躍するエディテージのお客様である研究者の方々、そして科学技術政策の専門家、科学ジャーナリストの皆様をお招きしました。

ウエルカムドリンクを手にご歓談される皆様に着席していただき、パーティーがスタート!・・・と、その前に、エディテージ・グラントってどんな活動なのかを前編でちょっと詳しく語らせてください。

若手研究者に自由を提供するエディテージ・グラント

「エディテージ・グラント」は、エディテージが独自で実施している若手研究者の方々に助成金を提供するプログラムです。2023年に実施した今回のグラントでは、22歳〜40歳までの若手研究者で、研究費支援のない方を対象としました。一般的な研究費への応募資格がない立場にいたり、実績不足や研究ーマの難しさから科研費に当たらなかったり、特定テーマの財団・企業系の研究費に応募できない方など、さまざまな理由で活動資金が乏しく、研究が進められない方を対象とした、基礎研究スタートアップのためのグラントです。

エディテージが研究者を最も近くで支える企業として、ユニークなアイディアを持った新世代の研究者の方々を支援したいという思いから始めたこのグラント。2012年から定期的に実施しており、今年度で5回目を迎えました。応募総数はこれまでに743件、総勢80名の研究者の方々に支援をしてきました。

国際化を視野に入れた初の試み:英語による審査の導入

今年度は新しい試みとして、英文エッセーと英語プレゼンテーションによる審査を導入しました。あくまで、若手の方々が国際的に活躍するきっかけ作りとして、英語でのコミュニケーションの機会を作り、グローバルなキャリアの入り口に立っていただくためのチャレンジです。

「英語で研究を伝える経験をしていただきたい、しかし英語の質は審査において問わない」というポリシーのもと、申請にはAI翻訳や英文校正ツール等の利用を積極的に推奨しました。そして、ファイナリストの方々が英語インタビューに備えて練習できるよう、希望者に事前に英語プレゼン動画を送ってトレーナーからフィードバックを受ける機会を提供しました。

「英語で申請して英語でプレゼン」、そんなややこしい条件で日本人の方がたくさん応募してくれるのだろうか?不安を感じつつも、やってみなければわかりません!その結果、難しい挑戦にもかかわらず、「英語は普段使っていなくて苦手」という方も含め、言葉のハードルを超えて233名の方にご応募をいただきました。チャレンジしてくださった皆様、本当にありがとうございました!

使途は自由、報告義務のない100万円の研究費

2023年は、エディテージ・グラント受賞者5名の方に100万円の研究費をご提供しました。エディテージの助成金の特徴は、利用申請、報告義務が不要なところです。申請者の皆さんには、応募の際にエッセー100万円の予算の使徒をご申告いただき、その利用目的が審査の対象となっています。しかし、助成金を掴んだ方には、資金の利用において面倒な手続きを一切排除しました。

受賞をされた各々の研究者の皆さんが、所属機関に相談のうえ利用方法の判断をされています。ご自身の自己資金として利用する場合、大学に寄付金として入れて活用されるケースなど、最も使いやすい方法で活用できるところがポイントです。

また、エディテージ・グラントのもう一つユニークな点は、基礎研究であれば分野やテーマは問わないこと。企業や財団の研究費では、特定の領域での公募に限られ申請できない分野の人も多くいます。エディテージはその課題も含め、分野やテーマを問わず支援が足りない人を対象にしました。

微力で、ごく限られた金額ではありますが、こうしたオープンで自由な性質の基礎研究グラントができるのが私たちのような私企業による支援の良いところではないかと思います。研究業界を支える多くの企業が今後、同じようなオープンで自由度の高い助成金の提供をを検討していただけることを密かに期待しています。

応募者全員を対象としたサポートの提供

とはいえ、私たちカクタス・コミュニケーションズは、予算規模がさほど大きくない中小企業。大賞の5名の方に100万円、最終選考で残った残り15名の方にRunners-up授与者として、10万円分の論文投稿サポートを提供させていただきました。 なしかしi応募していただいた200名以上の応募者の方には、その労力にたいして還元できるものがたくさんありません。

本当に些細ではありますが、今回は選考に残るか否かに関わらず、応募条件を満たしたすべての申請者に、論文執筆や研究活動の支援としてエディテージが提供するResearcher.Life Primeという研究支援ツールや論文執筆支援の割引等がセットになったパッケージを(99ドル相当)を無償提供させていただきました。

アカデミアの今を代表する多彩な審査員の方々

今回は若手研究者を支援したいと、アカデミアから5名の審査員の皆様に審査にご協力いただきました。審査員の皆様には、書類スクリーニングと、最終選考10名の方のオンラインでのインタビューをしていただき、評価をしていただきました。

湯浅 誠

ブランディング部長兼日本法人代表取締役

岩崎 渉

東京大学 大学院新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻 教授

隠岐 さや香

東京大学 大学院教育学研究科 総合教育科学専攻(基礎教育学コース) 教授

岸村 顕広

九州大学 大学院工学研究院 応用化学部門 准教授

エディテージ・グラント-早野先生インタビュー

早野 元詞

慶應義塾大学 医学部 精神・神経科学教室 特任講師

原山 優子

東北大学大学院工学研究科名誉教授、日本科学振興協会(JAAS)代表理事、ISCフェロー

ヴィカス ナラン

最高執行責任者

インタビューでは10分のプレゼンテーションに対して、審査員の方が質問を投げていただくという形式。英語が苦手で心配という方もいらっしゃる中、すべての申請者の皆さんが万全な準備で素晴らしいプレゼンをしてくださり、審査員の皆さんもファイナリストの皆さんに非常に的確なフィードバックや意見、温かい励ましの言葉をかけてくださいました。

そんなこんなで、準備から審査完了まで1年近くをかけたエディテージ・グラント。エディテージのスタッフも紆余曲折し悩みながら、告知から審査プロセス、イベントまで駆け抜けさせていただきました。申請をいただいたすべての研究者の皆様を、ご期待いただいた形でサポートできないことは心苦しい思いを抱えつつ、グラントを授与させていただいた皆様を含め、キャリアの全面にわたって私たちができるサポートを追求していきたいと心から感じています。

イベントの模様は後編でご報告いたします。

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この記事を書いた人

エディテージはカクタス・コミュニケーションズが運営するサービスブランドです。学術論文校正・校閲、学術翻訳、論文投稿支援、テープ起こし・ナレーションといった全方位的な出版支援ソリューションを提供しています。

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