エディテージ・グラント2025次点を受賞-周 迪さんにインタビュー

エディテージ・グラント2025にて次点を受賞した周 迪さんに、入賞した喜びやご自身の研究について、グラントに応募して感じたことなどを語っていただきました。

周 迪さんプロフィール
Zhou Di

2011年に中国の哈爾浜理工大学ソフトウェア工学科を卒業後、中国のIT企業に就職。その後来日し、石川県の北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)情報科学研究科にて修士課程および博士後期課程を修了。博士号取得後は金沢大学にてポストドクターとして勤務。現在はPST株式会社研究部の研究員として従事している。

横浜在住で、動物好き。現在はシャム猫を飼っており、休日は妻と愛猫とともに散歩をしながらリフレッシュしている。

Zhou Di

受賞した研究内容について

「うつ」による自殺が日本における主要な死亡要因のひとつである現状を踏まえ、日常的に気軽に受けられるメンタルヘルス評価の仕組みの実現を目指しています。私の研究では、音声解析を通じて、日常の会話や発話に表れる微細な声の変化から抑うつ状態など精神的健康の変化を非侵襲的かつ高精度に把握することに取り組んでいます。声という、誰にとっても身近で自然な手段を活用することで、「誰もが手軽にこころの状態を可視化できる社会」の実現に貢献することを目標としています。

エディテージ・グラント2025次点を受賞して

エディテージ・グラント2025にて次点を受賞し、大変光栄に感じております。数多くの素晴らしい研究提案の中から選出していただけたことは、私にとって大きな励みとなりました。本受賞を通じて、自身の研究の意義や方向性を改めて見つめ直すことができ、研究への意欲もさらに高まりました。今も新たな支援のもとで挑戦を続け、日々の研究活動に励んでおります。今後もより良い成果を目指し、学術の発展と社会への貢献に向けて尽力してまいります。

ご自身の研究について

病気やストレスなどによる心身の変化は、声を生み出す要素に影響を及ぼし、「声の症状」として現れることがあります。私の普段の研究では、こうした声の特徴から健康状態や病気との関係を探り、非侵襲的に心身の状態を把握する手法の開発に取り組んでいます。

私が「声」に関心を持つきっかけは、大学生の頃に受けた漢方医の診察でした。診察室で医師に言われたのは、「あーと声を出してみてください」という短い一言だけでした。しかしその発話から、私自身の記憶の奥に眠っていた子ども時代の病歴を的確に指摘され、その瞬間、声が心身の状態を映し出す大切なサインであることを、身をもって実感しました。この魅力に引かれ、現在は音声解析を活用したメンタルヘルス研究に取り組んでいます。

今後は、日常的な発話から心の健康状態を高精度に把握する技術の実現をさらに進め、うつ病やストレスなどの早期発見・介入につなげたいと考えています。声という、誰にとっても身近で自然な手段を活用することで、専門的な診断と日常的な気づきをつなぐ架け橋となる新しい医療インフラの構築を目指します。

エディテージ・グラントに応募した理由

私の所属する会社は、公的研究助成を受けられる体制が整っており、研究活動を大切にしています。こうした環境の中で、若手研究者として日々研究に専念している際に、部長から本グラントを勧めていただき、応募するきっかけとなりました。

エディテージ・グラントに応募しようと思った理由は、国籍の制限がなく、これまで論文投稿経験や研究資金の援助を受けたことがない方が優先される点に魅力を感じたからです。経験の浅い外国籍の研究者である私にとって、大変貴重なチャンスだと考えました。

グラントへの応募にあたり、苦労したことや工夫したこと

グラントに応募するにあたって、一番苦労したのは自分の研究への思いや熱意をどう文章で伝えるかでした。そんなとき、「エディテージ・グラント実行委員 くもMさんに聞く!応募を予定されている方への5Tips!」の記事を読んで、アドバイスに沿いながら、自分の思いをなるべくわかりやすく、率直に伝えられるよう工夫しました。

エディテージ・グラントに応募してみて感じたこと

エディテージ・グラントと他の助成金プログラムで特に違うと感じたのは、応募書類がエッセイ形式になっているところです。エッセイ形式なので、自分の研究への思いや熱意を、感情を込めながら自由に、率直に伝えられるのが魅力だと感じました。

応募の際には、エッセイを書く過程そのものが自分の研究を振り返り、整理する良い機会になりました。また、セレモニーを通して多くの若手研究者と出会い、同じように研究に情熱を持って努力している方々の姿に触れることができ、大きな刺激と学びを得ました。今回の経験は、私自身の研究活動への自信や意欲をさらに高める、貴重な機会となりました。この経験が、自分の研究を次のステップへ進めるきっかけとなり、他の助成金にも自信を持って応募でき、支援を受けることができました。

普段、若手研究者として感じていること

博士課程の頃、先輩から半ば冗談で「日本で博士号を取ると人生終わりだ」と言われたことがあります。博士課程を修了し、若手研究者として独立して研究に取り組む中で、その言葉の意味を身をもって実感することも少なくありませんでした。時々、自分の研究の意義に迷うこともありました。経験の浅い若手研究者にとって、助成金は自分の研究が他者に認められる貴重な機会であり、大きな励みになります。しかし、こうしたチャンスは決して多くはありません。エディテージ・グラントは、経験の浅い若手研究者にとって特に貴重な機会です。私にとっても、この経験が自分の研究を次のステップへ進めるきっかけとなり、他の助成金にも自信を持って応募する勇気につながり、実際に支援を受けることができました。

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この記事を書いた人

2002年に設立された、カクタス・コミュニケーションズの主力ブランドであるエディテージの目指すところは、世界中の研究者が言語的・地理的な障壁を乗り越え、国際的な学術雑誌から研究成果を発信し、研究者としての目標を達成するための支援です。20年以上にわたり、190か国以上の国から寄せられる研究者の変わり続けるニーズに対応し、研究成果を最大限広く伝えられるよう、あらゆるサポートを提供してきました。
今日、エディテージは専門家によるサービスとAIツールの両方を用いて、研究のあらゆる段階で便利に、安心して使っていただける包括的なソリューションを提供しています。