エディテージ・グラント2023大賞を受賞-藤田 綾さんにインタビュー

エディテージ・グラント2023にて大賞に選ばれた藤田 綾さんに、大賞に選ばれた喜びやご自身の研究について、グラントに応募して感じたことなどを語っていただきました。

藤田 綾さんプロフィール
Aya Fujita


オックスフォード大学大学院社会政策介入学研究科の博士課程に在籍中。国際開発支援および人道支援の仕事に7年強従事した後、当大学院の修士・博士課程に進学。日常では、Zumbaを踊ってリフレッシュすること、非日常では、行ったことのない国に旅行し、現地の食事や文化を楽しむことが好き。

受賞した研究内容について

今回受賞した研究は、修士課程で執筆した修士論文です。低中所得国の難民・国内避難民の子どもに対する学校ベースの精神保健・心理社会的支援介入の有効性に関するシステマティックレビューおよびメタアナリシスを行いました。

エディテージ・グラント2023大賞を受賞して

尊敬する審査員の皆様、そしてこの栄誉ある賞を授与してくださった主催者の皆様に本当に感謝しています。この賞を受賞することは、私にとって非常に光栄であり、今後研究を続け、発信していく励みとなりました。指導教員、家族、友人、同僚、そして支援してくださったすべての方々に心から感謝いたします。助成金100万円は、論文投稿の投稿料や国際学会での発表するための渡航費等に充てさせていただきます。

ご自身の研究について

普段は、東アフリカにおけるエビデンスに基づく育児政策や介入の立案、開発、評価に関する研究をしています。博士課程の研究は、ウガンダにおける子ども、特に障害児に対する暴力や虐待削減を目的とした育児プログラムの効果の分析をしています。

私がこうした研究をしているのは、現場で経験した課題意識に基づいています。ウガンダで3年間、難民に対する教育・福祉支援を行う中で、難民の子どもたちの心理社会的支援ニーズの見えづらさや測りづらさを感じました。さらに、長引く情勢不安による資金難が原因で難民に対する支援が先細っていく中で、エビデンスに基づいた効果が高い支援を取り入れていく必要性を感じたのがきっかけとなっています。

今後は研究を通して、低所得国における子どもの福祉・家族政策および実践に影響を与えられたらと思っています。脆弱な立場に置かれた子どもたちが抱える課題やニーズが汲み取られ、効果の高い支援が届けられる仕組みづくりに貢献していきたいです。

エディテージ・グラントに応募してみて感じたこと

エディテージ・グラントは、研究者である友人から勧められて知りました。応募したのは、ジャーナルへの投稿や学会発表、フィールドワーク費用のための助成金を探していたからです。過去の研究業績を重視するグラントが多い中、エディテージ・グラントはまだ論文の投稿をしたことのない若手研究者を対象としていたこと、また、海外の大学に所属していて国外からでも応募ができるグラントは珍しく、海外の大学院で博士課程をする学生にとってありがたい機会だと思いました。プレゼンテーション・インタビューでは、他分野の選考委員の方々から幅広いご質問をいただき、多角的かつ客観的に自分の研究をレビューする貴重な機会となりました。

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この記事を書いた人

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