Paperpalで論文がアクセプト! 学術論文に適した表現に助かっています~赤﨑健司教授(福山大学薬学部・細胞生物学)にインタビュー~

細胞の中の膜で囲まれた細胞小器官の1つであるリソソームの研究を30年以上にわたって続けている福山大学・薬学部の赤﨑健司教授に、ご利用いただいているPaperpalについてお話をうかがいました。Paperpalを利用して執筆した論文がアクセプトされたという赤崎先生は、Paperpalのどのようなところに魅力を感じているのか。詳しくお話をうかがいましたので、ぜひご覧ください。

赤﨑健司教授プロフィール

赤﨑健司教授

福山大学薬学部教授

九州大学薬学研究科修了後、(薬学博士号を取得)、1985年から福山大学薬学部に在籍し、2006年4月に教授に昇任。
研究分野としては、約30年以上にわたり、リソソーム膜糖タンパク質(LAMP:ランプ)に関する研究を専門としている。著書には『薬系免疫学』(南江堂、2022年)や『予防薬学としての衛生薬学:健康と環境』(廣川書店、2022年)がある。
また、日本薬学会や日本生化学会に所属し、日本生化学会の評議員もつとめている。
https://www.fukuyama-u.ac.jp/faculty/researchers_pharm

1998年にJohns Hopkins 大学のTom August教授の研究室で樹状細胞に特異的なDC-LAMPの研究を行い、研究成果を下記の論文に発表。
1) Akasaki K Arch Biochem Biophys 425(2):147-157のFig. 7が表紙に。
2) J Immunol (2006) 177 (4): 2265–2275.

Akasaki K Arch Biochem Biophys 425(2)

J Immunol (2006) 177 (4)

30年に以上にわたって細胞小器官の1つであるリソソームを研究

リソソームの研究を30年以上も続けていらっしゃる赤崎先生。ひとつの研究を30年以上続けられるのはすごいことだと思いますが、なぜその研究に携わるようになったのでしょうか。

赤﨑 それ以外のことができないと言った方がいいかもしれませんが(笑)、大学院のときからこの研究をしています。九州大学の博士課程を出た後、福山大学に助手で採用されて、それからずっとこの大学にいます。大学院のときに取り組んだのが、細胞の中の膜で囲まれた細胞小器官の1つであるリソソームの研究で、福山大学に来たらテーマを変えなければと思っていたのですが、九大の先生にこっちでも続けてやってもらえないかと頼まれて、そのままずっと続けているという形ですね。

うちの大学は薬剤師を養成する大学なので、僕のやっている研究というのはとても基礎的な研究なんです。2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞された大隅良典先生の研究テーマである「オートファジー(細胞が自らの一部を分解する自食作用)」とも関係があるのですが、先生がノーベル賞を受賞したことでリソソームの認知度が上がったかというと、一般の学生にとってはあまり興味がなく、はっきり言って地味な研究なんです。でもオートファジーも昔から知られていた現象で、ものすごく地味な仕事だったにも関わらず、大隅先生が酵母を使って、いろいろなオートファジーに関係する遺伝子をいろいろ見つけて、最終的にはノーベル賞を単独受賞されたのだと思うと、元は地味でもずっとやっていくといつか花が開くのではないかという希望が持てますね。ただ僕の場合は本当に地味で、あまり注目されず、学会に出しても皆さん聞きに来てくれないのですが(笑)。

リソソームは環境にやさしいということでも注目されており、とても興味深い分野です。これから注目度も高まりそうですが、先生の研究ですと大体1年間で何本くらい論文を書かれるのでしょうか。

赤﨑 そうですね、できれば年に1本は論文を書きたいと思っています。福山大学の薬学部には博士課程の大学院があるのですが、教授は年間1本は論文を書かかないと大学院の指導資格が得られないという規則があります。ですから年に1本は論文を書くことを目指してやっていますが、そのペースはなかなか大変ですね。まずはデータが出てきて、そのデータからどういうことが言えるのかをまとめ、論文にして投稿するという形になるのですが、なかなか思ったようなデータは出てこないですし、出てきたデータをどう解釈するかというのもいろいろ考えないといけないので、時間がかかります。

学術的な英語表現に特化しているPaperpalは論文執筆に最適

研究で忙しい中で論文を執筆するのは大変だと思いますが、先生が論文を書かれる際は日本語でまず書かれて、そこから英語に翻訳するという流れでしょうか。

赤﨑 僕自身のやり方としては、まずは英語でメモ書きする形になりますね。やはり英語でないと論文としては通用しないので、普段から英語でメモに書いたりしています。実験データや実験の方法なども英語で書くようにはしていますね。もう今から40年近く前ですが、大学院のときに「なるべく英語に慣れておかないといけない」と感じて、自分でそのような形にすることに決めました。もちろん実験結果など英語で表現するのには苦戦しましたが、どんなときにどういう表現にするのか、外国人が書いた文章があったのでそれ参考にしながら、ノートを作って一生懸命やっていました。

そんな中で赤崎先生がPaperpalを知ったきっかけは何だったのでしょうか。

赤﨑 最初に知ったのはYouTubeの広告ですね(笑)。無料で使うことができるようだったので、試しに使ってみようと。Paperpalの英語の表現の仕方などを見て、なかなかいいなと思ったのが、確か今年の春ぐらいでした。そこから有料版も利用して、これは便利だなと思いました。それまでは基本的にはすべて自分で英文を作成して、あとは他の学部の先生から勧められてGrammarlyを使っていましたね。Theとかa とかコンマとか、いろいろと修正してくれるので今も使っていますが、Paperpalはどちらかというと学術的な英語に特化しているので、「英語ではこういう言い方もあるのか」と知ることができ、とても助かっています。

ありがとうございます。今おっしゃっていただいたように、Paperpalは今までの出版された論文を学習しているのに加え、エディテージのネイティブ校正者の長年のノウハウも積み込んでいるので、アカデミックライティングに関していろいろ提案できるということが強みです。先生にそこを褒めていただけて、とてもうれしいです。

Paperpalを利用して執筆した論文がジャーナルにアクセプト!

赤﨑 実はつい先日、Paperpalを利用して執筆した論文がアクセプトされました。日本生化学会の論文のジャーナルなのですが、100年の歴史があり、生化学会もすごく宣伝している英語のジャーナルです。いろいろお世話になっているのでよく投稿させてもらっていますが、最近は結構リジェクト率が高くて、アクセプトされるのが難しいと聞いています。論文の執筆は大変だったのですが、その論文を執筆しているとき、ちょうどPaperpalの有料版が使えている期間だったので、非常に助かりましたね。

*The Journal of Biochemistry (J. Biochem.)

Grammarlyも使ったのですが、Grammarlyの場合はWordで書いていると、アイコンが引っ付いてあれこれ指摘してくるのですね。遠ざけてもすぐに近づいてきます(笑)。Paperpalの場合は、プログラムを開いてそこへ貼り付けると、直すべき個所を指摘してくれるので、Grammarlyほどはお節介でないのがいいですね。「この表現は使えるな」とか、「こういうふうに書いたらどのように指摘されるのかな」とか、使っていて非常に楽しかったです。

論文のアクセプト、おめでとうございます! Paperpalがお役に立ててよかったです。 Paperpalは新たにCopilotも加わり、例えば範囲を選択して「パラフレーズ」することで、内容をそのままにして書き直すといったこともできるようになりました。元の部分と書き直した部分を比較し、問題がなければ反映していくという流れで、パラグラフ全体を書き換えることも可能に。こういった機能もぜひ今後、ご利用いただければと思います。

赤﨑 それはすごいですね。あまり大きい声では言えませんが、昔、もう30年ぐらい前にも英文校正チェックとかいうのがあって、それに原稿タイプで打った原稿を出すと、外国人の先生が鉛筆でチェックして、2ページいくらとかで直してもらうようなものがありました。それに出してもあまり直されなかったので、これまで英文校正チェックといったものには出さずに論文投稿していましたが、Paperpalがあれば話は別ですね。例えば今、文章を書いて「ここをちょっと書き直そうかな」と思ったときに、いちいち原稿を送っていたら大変です。それよりはある程度自分で英文を作ってPaperpalに入れてチェックし、ちょっと書き直そうかというときもまた、Paperpalに入れたら書き直してもらえる。そんなコンテンポラリーな使い方ができるのは非常に便利だと思います。

論文の修正にかかる時間を効率化できるのもPaperpalの魅力

英文校正会社などとのやりとりの時間が節約できるというのも先生がPaperpalに感じている魅力ですか?

赤﨑 そうですね、Paperpalに英語を入れれば、すぐにチェックしてくれるのはありがたいですね。どうしても英文校正サービスに出すとなると時間がかかります。しかも、論文が完成した状態で持っていかないといけません。でもPaperpalは、論文を書いている途中でも、「ここをちょっとだけ直したい」なんてときに気軽に使えますし、論文のバージョンによって、ここでPaperpalに入れたらこういうふうに直ってきた、などと確認することもできるので本当に便利です。とにかく、すぐにやってくれるというのが一番のポイントですね。

どうしても一旦校正に出してしまうと、待つ時間が発生しますからね。

赤﨑 即日仕上げてくれる英文校正サービスもあるようですが、それでも論文を完成させて送らないといけないというのは変わらないですしね。それよりも、論文が途中でも見てもらえるというのがありがたいです。

なるほど、ありがとうございます。ちなみに今回アクセプトされた生化学会のジャーナルは、もう出版のスケジュールは決まっているのですか?

赤﨑 まだアクセプトされたばかりで、原稿をもう一度自分で見直してほしいというリクエストがきています。実は昨日もPaperpalを使わせてもらったのですが、英語での表現についていろいろな提案をしてくれるので、自分が疑問に感じたところなどはそれを参考に少しずつ直しています。ASAP(As soon as possible)と書いてあるので、早めに提出したいと思っています。

論文の出版も楽しみにしています。最後に、Paperpalを他の研究者の皆さんにも勧めたいと思いますか?

赤﨑)そうですね。たぶん若い人たちはもうPaperpalを知っていて、僕なんて使い始めたのは遅いほうかもしれませんが、これからPaperpalを使ってみようという人がいればぜひおすすめしたいですね。無料版があるので、まずそれを使ってみて、いいなと思ったら有料版でさらにいろいろな機能を使ってみるといいのではないでしょうか。

本日は貴重なご意見をありがとうございました。


Paperpalは、リアルタイムに言語と文法を修正するための提案を行い、著者がより良い文章をより速く書くことを支援するAIライティングアシスタントです。プロの学術編集者によって強化された何百万もの研究論文に基づいてトレーニングされており、機械的なスピードで人間の精度を提供します。

Paperpal
よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

エディテージはカクタス・コミュニケーションズが運営するサービスブランドです。学術論文校正・校閲、学術翻訳、論文投稿支援、テープ起こし・ナレーションといった全方位的な出版支援ソリューションを提供しています。