研究者のAI利用、文献探索・研究計画まで拡大|研究者の93.5%が「AI活用は競争力に影響」と回答

~AIは翻訳・校正の補助ツールから、研究ワークフロー全体を支える存在へ。一方で91.1%がハルシネーションを懸念し、専門家による正確性確認への期待も高まる~

科学コミュニケーションおよびテクノロジー分野でグローバルに事業を展開するカクタス・コミュニケーションズ株式会社(以下、カクタス)は、エディテージ利用者および日本の研究者693名を対象に実施した「研究者のAIツール利用に関するアンケート」2026年調査の結果を発表しました。 

本調査では、研究者によるAIツールの活用が、翻訳・校正だけでなく、文献探索、情報整理、論文・資料の要約、研究テーマの検討など、研究ワークフロー全体へ広がっていることが明らかになりました。

図1:高頻度AI利用の推移
出典・注記:カクタスコミュニケーションズ株式会社 エディテージ 「研究者のAI利用実態調査2026」(回答数=662)、カクタスコミュニケーションズ株式会社 エディテージ「研究者のAI利用実態調査2024」(回答数=452)、カクタスコミュニケーションズ株式会社 エディテージ「研究者のAI利用実態調査2023」(公表値)

研究者の78.7%がAIツールを日常的に利用しており、そのうち「ほぼ毎日」または「週に数回」利用する研究者は78.9%に上りました。AIツールは、研究者にとって日常的な研究支援ツールとして定着しつつあります。(図1) また、「先行研究・関連文献の検索」(71.0%)や「論文・資料の要約」(62.5%)が主な利用目的となり、2023年調査で中心だった翻訳・校正用途から、活用の幅が大きく広がっていることが分かりました。(図2)

図2:研究活動におけるAIの利用目的
出典・注記:カクタスコミュニケーションズ株式会社 エディテージ「研究者のAI利用実態調査2026」(回答数=662)

さらに、本調査では、93.5%が「AI活用は研究者の競争力に影響する」と回答した一方、91.1%が「誤情報(ハルシネーション)」を懸念していました。このように AI活用が広がる一方で、その限界やリスクも広く認識されるようになっており、AIを活用する際には研究成果の信頼性をどのように担保するかが重要な課題となっています。 

調査結果サマリ

  1. 研究者の78.9%がAIツールを「ほぼ毎日」または「週に数回」利用 
    AIツールは、研究者にとって日常的な研究支援ツールとして定着しつつあります。 
  2. 93.7%が「1年前と比べてAI利用が増えた」と回答 
    2024年調査に続き、研究活動におけるAI活用はさらに広がっていることが分かりました。 
  3. AIの主な用途は「先行研究・関連文献の検索」が最多の71.0% 
    続いて「論文・資料の要約」(62.5%)、「論文・英文の校正・校閲」(59.6%)となり、翻訳・校正だけでなく、研究の初期段階や情報整理にもAI利用が広がっています。 
  4. 93.5%が「AI活用は研究者の競争力に影響する」と回答 
    また、91.0%が「AI利用は論文の採択や評価に影響する」と回答しました。AI活用は、研究活動の効率化だけでなく、研究成果の発信や競争力にも関わる要素として認識されつつあります。
    ※本調査は、AI利用と論文採択率・評価との因果関係を示すものではなく、回答者の認識と利用実態を把握したものです。 
  5. AIのみで論文投稿を経験した研究者は14.4%。一方、最多は「AIと専門家サービスの併用」45.7% 
    AIツールのみで論文投稿を経験した研究者は、2024年調査の8.8%から14.4%に増加しました。一方で、AIと専門家サービスを併用する研究者が最も多く、AI活用が進む中でも専門家による確認や支援が重視されていることが分かりました。 
  6. AI利用における最大の懸念は「誤情報(ハルシネーション)」91.1% 
    続いて「データ漏洩」(63.9%)、「剽窃」(53.4%)、「不正の増加」(53.4%)が挙げられました。専門家サービスに期待する役割としては、「AIでは不安な正確性の確認」(69.3%)が最多となり、AIの活用が広がる中でも、正確性の確認を重視する研究者が多いことが分かりました。 

調査概要

  • 調査名:研究者のAIツール利用に関するアンケート
  • 集計期間:2026年5月14日~2026年6月21日
  • 対象:エディテージ利用者および日本の研究者
  • 回答数:693件
  • 方法:アンケートフォームによる自主回答形式

完全版レポート・図表素材の提供について 

カクタスでは、大学・研究機関関係者、報道関係者を対象に、本調査の完全版レポートおよび掲載用図表素材を提供しています。研究現場におけるAI活用の実態把握や、記事・レポート作成時の参考資料としてご活用いただけます。 
 
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総括コメント(カクタス・コミュニケーションズ 代表取締役 湯浅 誠) 

カクタス・コミュニケーションズ 湯浅誠代表取締役

生成AIは、研究者の生産性を飛躍的に高める技術として急速に普及し、今や研究活動に欠かせないインフラとなりつつあります。一方で、本調査からは、研究者がAIを積極的に活用するほど、その限界やリスクも現実的な課題として認識していることが見えてきました。 

AIは研究の効率を高める有力な手段ですが、研究成果の信頼性を最終的に担保するのは、研究者や専門家の知識、経験、判断です。だからこそ、これからの研究支援には、AIの出力を検証し、倫理的な活用を支えることに加え、研究内容の妥当性や投稿先との適合性を確認し、研究成果をより広く届ける役割が求められると考えます。カクタス・コミュニケーションズは今後も、研究者が新しい技術を安心して活用しながら、研究に集中できる環境づくりに貢献してまいります。 

カクタス・コミュニケーションズ株式会社について(https://cactusglobal.com/jp/

カクタス・コミュニケーションズは、2002年に設立された科学コミュニケーションとテクノロジーの会社です。研究への資金調達、論文の出版、科学コミュニケーション、発見がより良くなるようなAI製品とソリューションを専門としています。同社の主力ブランドであるエディテージは、専門家によるエキスパートサービスと、Paperpal、Mind the Graph、R Discoveryなどの最先端のAI製品を含む、包括的な研究者向けソリューションを提供しています。また、カクタスはCactus Life Sciencesブランドの下で医療コミュニケーションもてがけています。

現在は東京、プリンストン、ロンドン、オーフス、シンガポール、北京、上海、ソウル、ムンバイにオフィスを構え、3,000人以上の専門家を擁するグローバル企業です。また、職場におけるベストプラクティスのパイオニアとしてここ数年常に「働きがいのある会社」にランクされています。

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この記事を書いた人

2002年に設立された、カクタス・コミュニケーションズの主力ブランドであるエディテージの目指すところは、世界中の研究者が言語的・地理的な障壁を乗り越え、国際的な学術雑誌から研究成果を発信し、研究者としての目標を達成するための支援です。20年以上にわたり、190か国以上の国から寄せられる研究者の変わり続けるニーズに対応し、研究成果を最大限広く伝えられるよう、あらゆるサポートを提供してきました。
今日、エディテージは専門家によるサービスとAIツールの両方を用いて、研究のあらゆる段階で便利に、安心して使っていただける包括的なソリューションを提供しています。