査読コメント対応で採否が変わる:レスポンスレターの質を高める実践ガイド【Q&A】

A practical guide to improving the quality of response letters

論文投稿後、多くの研究者が苦戦するのが「査読コメントへの対応」です。すべてのコメントに回答したはずなのに再指摘される。修正したのに意図が伝わらない。こうした問題の多くは、査読者の意図がくみ取れていないことや、レスポンスレターで修正内容を適切に伝えられていないことに起因します。本記事では、エディテージのスザンナ・フォンセカ氏英文校正・出版支援サービス部門 アソシエイトディレクター)へのQ&Aをもとに、査読コメントへの対応での注意点、レスポンスレターに求められること、そしてエディテージサービスを使った解決方法をお伝えします。

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スザンナ・フォンセカ プロフィール

Suzana Fonseca

エディテージ 英文校正・出版支援サービス部門
アソシエイトディレクター

バイオテクノロジー分野のバックグラウンドを持ち、12年以上にわたり学術出版に従事。研究公正性の推進と、研究者が出版プロセスの複雑さを正しく理解し乗り越えるための支援に注力している。これまでに研究者、大学、学術誌、学会、出版社など多様な関係者と連携し、研究エコシステム全体の効率性と信頼性の向上に貢献。現在は、編集・出版支援サービスの統括に加え、顧客体験の設計や事業運営にも携わるほか、AIの適切な活用と研究現場との橋渡しにも取り組んでいる。専門家育成にも積極的で、世界各国の研究者に向けたトレーニングウェビナーを多数実施している。

Q1. 査読コメントにすべて回答したはずなのに、なぜ再指摘されてしまうのでしょうか?

スザンナ:
多くの場合、著者は査読コメントに「対応した」と考えていますが、査読者の視点では懸念が十分に解消されていないと判断されているためです。レスポンスレターにおいて重要なのは、「対応した事実」そのものではなく、その対応がどれだけ明確かつ十分に伝わっているかです。例えば、追加実験を行ったことを説明していても、査読者が指摘した根本的な懸念(データの妥当性や期間の短さなど)に触れていなければ、対応としては不十分と見なされてしまいます。

また、説明が抽象的であったり、修正箇所が特定しづらかったりする場合も、査読者は再度原稿を確認する必要があり、「十分に対応されていない」という印象につながる可能性があります。つまり、レスポンスレターでは「何をしたか」だけでなく、“査読者が納得できる形で示せているか”が重要なのです。

そのため、質の高いレスポンスレターには、以下の要素が不可欠です。

  • 各査読コメントに対応した、明確で整理された構造
  • 懸念に対して十分に検討された、論理的かつ網羅的な回答
  • 修正内容をすぐに確認できるような、ページ番号・行番号付きの引用

Q2. 英文校正チームがよく目にする“不十分なレスポンス”にはどのようなものがありますか?またそのような問題点の解消に「査読コメント対策サービス」がどのように役立つか教えてください。

スザンナ:
実務の中では、著者が査読者の懸念に完全に答えられていないケースや、対応が出来ているにもかかわらず、それが十分に伝わっていないケースが多く見られます。

エディテージでレスポンスレターの英文校正サービスを受けるだけでも、言語チェックに加え、ページ番号や行番号に関する一貫性の問題などは解消されます。しかし、それだけでは、査読コメントへの対策としては不十分です。

例えば、各コメントに十分に対応できているか、回答に抜け漏れがないか、原稿とレスポンスの間に矛盾がないかといった点のチェックも、査読コメント対策に求められます。

エディテージの「査読コメント対策サービス」では、著者の回答内容の妥当性、およびレスポンスと修正原稿の整合性を確認し、説明が十分になされているかをチェックすることで、単なる「よく書かれた文章」ではなく、査読者にとって確認しやすく、納得しやすいレスポンスレターを仕上げるサポートを行います。

チェック内容・修正内容:

  • 原稿の修正内容を確認し、査読コメントに対して適切に対応できているかを検証
  • 不足している情報や説明が不十分な箇所を特定し、回答を強化するためのアドバイスを提供
  • レスポンスレター内に引用された修正内容と、実際の原稿修正との整合性を確認
  • 各回答が査読者の懸念に十分対応しているかを確認
  • 修正原稿から引用した箇所にページ番号・行番号を追加し、参照しやすく整理
  • 回答の明確さ、トーン、読みやすさを改善

Q3. 査読コメント対策サービスで指摘される問題点には、具体的にどのようなものがありますか?

スザンナ:
エディテージの専門家によるチェックで、特定されるよくあるケースと専門家からのアドバイスの例には以下のようなものがあげられます。

回答が査読者の懸念に十分に対応していないケース
専門家からのアドバイス:
“Your response addresses the request for additional experiments but does not consider the reviewer’s concern about the limited duration of data collection. You could strengthen your response by citing studies based on similar time frames or by acknowledging this as a limitation and outlining how it will be addressed as part of future studies.” (以下翻訳:追加実験を求める指摘に対しては回答されていますが、データ収集期間が限られているという査読者の懸念については考慮されていません。同程度の期間に基づく研究を引用する、またはこの点を限界として認め、今後の研究でどのように対応していくかを説明することで、回答をより説得力のあるものにできます。)

回答に十分な詳細が含まれていないケース
専門家からのアドバイス:
“You have mentioned in response to the peer reviewer’s comment that you have shortened the table, but this response could be strengthened by explaining how this was done. Were some data deleted or was some information shifted elsewhere?” (以下翻訳:査読者のコメントへの回答として、表を短縮したことには触れていますが、どのように短縮したのかを説明することで、この回答をより充実させることができます。一部のデータを削除したのでしょうか。それとも、情報の一部を別の箇所に移動したのでしょうか。)

このように、わずかな説明不足や視点のズレを指摘し、より完全なレスポンスレター作成を支援します。

Q4. 査読コメント対策サービスの価値をシンプルに表すと?

スザンナ:
査読コメント対策サービスは、著者が安心して査読対応を進められるよう、専門家が支援を行うサービスです。査読者コメントへの回答が、分かりやすく書かれているだけでなく、内容に一貫性があり、論理的に整理され、コメントの意図に沿って十分に対応できているかを確認します。

まとめ

査読者は著者からのレスポンスレターをもとに、懸念に対して適切に対応しているかどうかの判断をします。つまり、レスポンスレターは査読者を納得させる重要な役割を果たす文書です。

エディテージの査読コメント対策サービスでは、同分野の専門家が、査読者の意図を正確にくみ取り、著者の回答を強化する支援を行い、査読プロセスをよりスムーズに進めるためのサポートを提供します。査読プロセスに不安のある方は、当サービスの利用をご検討ください。

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この記事を書いた人

2002年に設立された、カクタス・コミュニケーションズの主力ブランドであるエディテージの目指すところは、世界中の研究者が言語的・地理的な障壁を乗り越え、国際的な学術雑誌から研究成果を発信し、研究者としての目標を達成するための支援です。20年以上にわたり、190か国以上の国から寄せられる研究者の変わり続けるニーズに対応し、研究成果を最大限広く伝えられるよう、あらゆるサポートを提供してきました。
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