何ヶ月もかけて論文を準備してきたのに、リジェクトの通知を受け取るのはつらいものです。デスクリジェクト(査読プロセスに入る前に編集者によって却下されること)には様々な理由がありますが、それで論文投稿を諦めてしまうのはもったいないことです。一方で、論文を修正して別のジャーナルに再投稿することも論文執筆者にとっては一つのハードルです。この記事では、デスクリジェクトの主な理由を解説し、スムーズな再投稿プロセスを実現するためのヒントをご紹介します。
論文のリジェクトへの対応
デスクリジェクトを受けるということは、論文が査読(ピアレビュー)にかけられなかったことを意味します。つまり、論文が編集部の一次審査を通過できなかったということです。これには複数の理由が考えられますが、最も一般的なのはジャーナルとのミスマッチ、そしてフォーマットの問題です。
リジェクトの理由①:ジャーナルとのミスマッチ
人気やインパクトファクターの高さから特定のジャーナルを選んだものの、論文の内容がそのジャーナルの目的や研究対象に合致しなかった時、それは「ジャーナルとのミスマッチ」と言えます。編集者があなたの研究により適した別のジャーナルを推薦することもありますが、ほとんどの場合は執筆者自身が新たに投稿先を探す必要があります。
リジェクトの理由②:フォーマットの問題
ジャーナルが定めるフォーマットガイドラインに従ってはいるものの、細かい点が見落とされている場合、それは「フォーマットの問題」です。 例えば、
- 論文の構成が適切でない
- 図表が要求された形式で提示されていない
- 論文の長さが推奨上限を超えている
- コンテンツの全体的な提示方法に一貫性がない
これらの細かい点をもう一度確認すると、自ずとデスクリジェクトの理由も明確になるでしょう。
さて、あなたは今2つの大きな課題に直面しています。「次のターゲットジャーナルの選択」と「論文の修正・再フォーマット」です。どちらの作業も最適化されていないと非常に時間のかかるものです。これらをどのように進めていくのが最も効率的かを以下でご説明します。
論文の再提出
論文がリジェクトされた後の修正・再提出プロセス全体を最適化するには、以下の手順が役立ちます。
1. フィードバックを客観的に読む
リジェクトの通知には論文がリジェクトされた理由が記載されています。フィードバックをネガティブなものとして受け止めず、注意深く読んでください。編集者がリジェクトしたのはあなたの論文であって、あなた自身や研究そのものを否定したわけではありません。
2. 次のターゲットジャーナルの選択に集中する
論文は査読されていないため、編集者がデスクリジェクトの理由として挙げた理由をよく検討してください。同じジャーナルに再投稿すべきでしょうか、それとも別のジャーナルを狙うべきでしょうか?
もし論文がジャーナルの専門分野に合致していなかった場合、たとえ大幅な修正を加えても再びリジェクトされる可能性が高くなります。一方、フォーマットの問題や新規性の欠如がリジェクトの理由だった場合は、同じジャーナルに再投稿する前にこれらの問題を修正することを検討してもよいでしょう。
選択肢を常に広く保ち、論文の内容により適していると思われるジャーナルを選択するようにしましょう。
3. 論文を修正する
必要な修正点を特定したら、フィードバックやコメントに従って論文を修正してください。指摘された問題はすべて確実に対処してください。
・研究の新規性や意義の明確化のような大幅な変更が必要な場合は論文を一から書き直す必要があるかもしれません。特に論文掲載までの時間が限られている場合、Paperpalのような文書スタイルを簡単に学術的に改善できるツールを使ってみるのも良いでしょう。
・新たに選んだジャーナルのガイドラインに沿って論文の長さやフォーマットを調整する必要がある場合は、再度のリジェクトを避けるために、専門家によるサービスを利用することを検討してください。そうでない場合は、ジャーナルのスタイルとフォーマットのガイドラインを注意深く読み、論文がそれらに準拠していることを確認してから再提出しましょう。
予算に優しいジャーナル投稿のヒント
修正論文の準備が整ったら、次は予算に優しい投稿プロセスを探しましょう。当初のジャーナルに再投稿しないことに決めた場合は、以下の方法を検討してみてください。
1. 手頃な価格のオープンアクセスジャーナルに投稿する
オープンアクセス出版は多くの著者にとって手頃な選択肢と考えられています。「Directory of Open Access Journals (DOAJ)」で、あなたの分野の出版対象となる可能性のあるジャーナルのリストを確認し、その目的と範囲があなたの論文と一致しているかどうかを確認してください。
オープンアクセスジャーナルは、出版費無料または低額な論文処理費用であるだけでなく、研究の知名度の向上やより迅速な普及といったメリットも提供します。
2. 自身の専門分野における低コストのジャーナルを探す
インパクトファクターの高い学術誌ではなく、掲載料の低いジャーナルを探しましょう。掲載料の低いジャーナルはインパクトファクターのランキングでは上位に位置しないかもしれませんが、研究成果を広く発信する手段としては適している可能性があります。
3. 論文が学会発表に適しているか確認する
論文をジャーナルに再投稿する費用が高額になる場合、学会での発表を選ぶのも一つの手です。比較的安価に成果を発信でき、共同研究や助成金申請への足がかりになることもあります。ただし、学会論文は学会ガイドラインに沿った形式で作成する必要があり、ジャーナルのフォーマットガイドラインとは大きく異なる可能性がある点に留意してください。
最後に
デスクリジェクトは論文執筆者にとって受け入れがたいものかもしれません。でも、リジェクトは「おわり」ではなく、「より良い形で研究を届けるためのステップ」です。フィードバックを客観的に捉え、必要な修正を加え、より適したジャーナルを見つけて論文をさらに磨きましょう。
再投稿を成功させるには、論文の質を高めることに加えて、投稿準備を効率的に進めることも大切です。フォーマットやガイドライン対応など、細かな作業に時間を取られすぎないよう工夫して進めていきましょう! ぜひエディテージの論文フォーマットサービスをチェックして、フォーマットに関する専門的なサポートについても読んでみてください。
この記事はEditage Insights 英語版に掲載されていた記事の翻訳です。Editage Insights ではこの他にも学術研究と学術出版に関する膨大な無料リソースを提供していますのでこちらもぜひご覧ください。
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