ジャーナルに投稿するためのフォーマット(Part.3)-表のフォーマット

Formatting tables to match journal style

※この記事は、論文のフォーマットシリーズ第3弾です。Part 1Part 2もぜひご覧ください。

ジャーナルのスタイルに合わせるために論文をどのようにフォーマットすべきかがわかったところで、次は表もそのジャーナルに既に掲載されている他の表の外観を参考に仕上げます。この作業のために、この記事では改めて典型的な表の各部分を調べ、どのようにスタイルやフォーマットが設定されているかを確認しましょう。

スタイルのバリエーションは数多くあり、とても細かいものですが、特定のバリエーションに対応するためにタイポグラフィに関する深い知識やタイプ設定のスキルは必要ありません。

ラベルは「Table」という単語とその後の番号から構成されます

通常、表は「Table 1」のように番号の前に「Table」という単語が付き、その論文に現れる順に番号が振られます。これらをまとめてラベルといいます。「Table 2. Average monthly temperature (°C) in Paris: 1925 to 2025」のように、番号の後に表のタイトルが続きます。では、以下の質問に心の中で答えながら、細部に注目して、フォーマットを分析してみましょう。

  • グループ化:ラベルはタイトルと同じ行にありますか? それともそれぞれ新しい行から始まっていますか?
  • 大文字と小文字:「Table」の大文字と小文字はどうなっていますか? すべて大文字、またはTのみが大文字で他は小文字、あるいはすべて小文字ですか?
  • 太字と斜体:文字は太字ですか? 斜体ですか? またはその両方ですか? それともどちらでもありませんか?
  • 数字の形式:数字はアラビア数字(1や4など)ですか? ローマ数字(IやIVなど)ですか? 数字は太字ですか? 斜体ですか? その両方ですか? どちらでもないですか?
  • 句読点:数字の後にスペース、ピリオド、コロン、その他の記号が付いていますか?

表のタイトル

表のタイトルは、情報を伝えるフレーズや、あまり一般的ではありませんが平叙文「Effect of regular exercise on blood pressure(定期的な運動が血圧に及ぼす影響)」に対して「Regular exercise lowers blood pressure(定期的な運動が血圧を下げる)」にすることができます。ジャーナルが使用している形式に注意してください。とはいえ、この違いはフォーマットには重要ではありません。ここでは以下の詳細に注意してください。

  • 大文字と小文字:タイトルは文の頭のみ大文字ですか? 「Effect of Regular Exercise on Blood Pressure」のように主要な単語の頭はすべて大文字ですか? それともすべて大文字ですか?
  • 太字と斜体:タイトルは太字ですか? 斜体ですか? またはその両方ですか? それともどちらでもありませんか?
  • 末尾の句読点:タイトルの末尾はピリオドで終わっていますか?
  • 配置:タイトルは左揃えですか? それとも中央揃えですか(最も一般的な2つの選択肢)?ラベルとタイトルは同じ配置を維持します。

列の見出し

表は行と列で成り立っており、各行には見出しがあります。前述したバリエーション(大文字・小文字、太字、斜体など)を念頭に置いて、見出しのスタイルやフォーマットに注意してください。さらに、以下の点にも注意してください。

  • 垂直方向の配置:列の見出しの中には、2行以上になるものもあれば、1行に収まるものもあります。その場合、それぞれのセル内ですべての見出しを上揃え、下揃え、中央揃えのどれにしますか?
  • 水平方向の配置:左揃えですか? 中央揃えですか? 右揃えですか? それとも両端揃えですか?
  • 測定単位の扱い:通常、列の見出しには「Body weight (kg)」や「Density ‘(g/cm³)」のように測定単位が含まれています。上記のように単位を括弧で囲みますか? それとも「Body weight, kg」や「Density, g/cm³」のようにカンマで区切りますか? ジャーナルによっては、単位を別の欄で表しているものもあります。そのジャーナルがスラッシュや負の指数(g/cm³またはg cm-³)を使用しているかどうかにも注意してください。

行の見出し

上記と同じ質問を使って、行の見出しについてジャーナルの選択に注意してください。ただし、行の見出しに垂直方向の配置は適用されません。

表本体内の脚注マーカー

1つまたは複数のセルの内容を何らかの形で修飾する必要がある場合、それは脚注で記載されます。脚注は上付き数字や上付き文字、あるいは*、§、¶などの記号で示されます。数字や文字は、太字や斜体、その両方、あるいはどちらでもないこともあり、通常、左から右へ読むのと同じように、上から下へ、通常の読み順で割り当てられます。

表の脚注の説明

脚注の説明は表の末尾に記載されており、「aMean value representing peroxidase activity」や「3at ambient temperature」のように、各マーカーの後に必要なテキストが続きます。一見単純そうに見えますが、以下のようなフォーマットの細かな点にも留意する必要があります。

  • マーカーの形式:脚注のマーカーは、表本体中のマーカーと同じ書式になっていますか? ジャーナルによっては、ここに上付き文字を使用しないところもあります。
  • スペース:マーカーとそれに続くテキストはスペースで区切られていますか?
  • 大文字と小文字:説明は大文字で始まっていますか? 上に示した2つの例では、最初のものはそうなっていますが、2番目のものはそうではありません(「aMean」と「3at」)。
  • 句読点:説明はピリオドで終わっていますか? それとも句読点がありませんか? このような説明のほとんどは完全な文章ではないので、ジャーナルによっては句読点を省略しています。
  • グループ化:複数の説明が一緒に書かれていますか? それともそれぞれ新しい行から始まっていますか?

列の配置

ある数値列の配置の選択は「単なるフォーマット」ではなく、それらの数値が何を表しているかに基づいて決めるべきです。以下に簡単なルールを示します。

  • 右揃え:列内のすべての数値が同じ単位を持ち、整数である場合。
  • 小数点揃え:すべての数値が同じ単位を持ち、少なくともその一部が小数である場合。
  • 左揃え:列内の数値が同じ単位を持たず、異なる数量を表す場合(ある行は平均気温、別の行は平均湿度、また別の行は降雨量や降水量など)。

出典の注記

表の最後の部分は通常、出典を示しており、「Source」という語の後に出典の引用または完全な参考文献を記載します。出典を明記していない場合、そのデータは論文の著者によるものであり、公表されている情報源からの引用ではないことを意味します。

最後に、データのないセルに使われている記号にも注意してください。例えば、NAやN.A.、ダッシュ(-)、省略記号(…)は、「Not available(利用不可)」を意味します。

ちょっと細かすぎるでしょうか? フォーマットを詳しく説明には非常に多くのスペースが必要となりますが、フォーマットを観察し、論文の表に適用することは、何に注意すべきかさえわかっていれば、それほど面倒ではありません。そもそもデータを入手するのにどれだけの労力がかかったかを思い出してください。苦労して手に入れたデータを提示する際には、細心の注意を払うべきではないでしょうか?


この記事はEditage Insights 英語版に掲載されていた記事の翻訳です。Editage Insights ではこの他にも学術研究と学術出版に関する膨大な無料リソースを提供していますのでこちらもぜひご覧ください。

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この記事を書いた人

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