拒絶されるのは誰だって嫌なものですよね。それは私生活であれ、研究論文の出版プロセスであれ同じです。大切な論文の掲載を希望するジャーナルから「No」の返答を受けるのは、フラストレーションが溜まるものです。論文の拒絶(リジェクト)は研究者の道のりの一部ではありますが、リジェクトの可能性を減らすのに役立つ良い方法がいくつかあります。そのひとつが論文の正確なフォーマットです。
この記事では、論文がデスクリジェクトされるのを防ぐために簡単に回避できる、最もよくある5つのフォーマットのミスについて解説します。
論文に求められる投稿規定に合わせるなら?
1. セクションの見出しおよび小見出しのフォーマット
多くの場合、ジャーナルや出版社は適用すべきフォーマットのテンプレートを提供しています。セクションの見出しと小見出しのフォーマットに関する指示に注意してください。
単にすべての見出しに太字や斜体を使用するだけでは不適切な場合があります。以下に、各出版社が論文のセクションの見出しに求める書式設定の例をご紹介します。
例1)「Wiley journals」
・すべての見出しおよび小見出しは「センテンスケース」(主要語の頭文字を大文字にする形式)で記載
・第3階層および第4階層の小見出しのみ、イタリック体で記載

例2)「IEEE journals」
・見出しはページの中央に配置
・小見出しは左揃えにしてイタリック体で記載

例 3)「IEEE Access」
・見出しはすべて大文字で記載
・見出しと小見出しは ローマ数字とアルファベット を使って区別
・小見出しはイタリック体で記載

2. 表と図のキャプションのフォーマット
表、図、グラフ、およびイラストのキャプションはすべて、特定のフォーマットで作成する必要があります。これについても、ジャーナルが提供するテンプレート、またはウェブサイトの「投稿規定」セクションに明記されています。
例1)「Wiley journals」
・図と表のキャプションは、「センテンスケース」で記載
・図番号と表番号の後には、ピリオド(.)を追加
・図のラベルは「Fig.」に短縮し、番号の後にピリオドを追加

例2)「IEEE journals」
・表番号はローマ数字で示し、キャプションは表の下に中央揃えで配置
・表のキャプション内の文字はすべて大文字で記載

3. 参考文献リストと引用スタイルのフォーマット
ジャーナルによって推奨される引用スタイルは異なります。
例えば、社会科学、文学、自然科学分野の論文では、著者名・発行年方式(ハーバードスタイル)が一般的に好まれます。一方、物理科学や医学の論文では、引用順方式(バンクーバースタイル)がよく用いられます。引用番号の表記形式も異なり、角括弧で囲んで表記([1])する場合や、テキスト内で上付き数字として表記(1)する場合があります。
さらに、参考文献リストのフォーマットにも注意が必要です。文献をアルファベット順に並べるか、本文中の登場順に並べるかを確認してください。本文で引用した文献はすべて参考文献リストに記載しなければならない点にも注意しましょう。
4. 図の提出方法
ほとんどのジャーナルでは、図の提出方法が明確に示されています。ジャーナルによっては、論文の本文内に図を組み込むことを求める場合もあれば、論文提出時に図ファイルを別途アップロードすることを求める場合もあります。
図を別途提出する際は、ジャーナルが受け付ける形式(例:JPG、PNG、PDF、TIFF、EPSなど)を確認してください。
5. 必須のフォーマット要件の軽視
最後に、論文の一般的なフォーマット要件に細心の注意を払ってください。
- ページ番号や行番号の記載が指定されていますか?
- 推奨されるフォントの種類とサイズは?
- 論文は1段組(single-column)と2段組(two-column)、どちらで提出すべきですか?
こうした些細なことが、論文の投稿プロセスを成功に導くか、あるいは失敗に終わらせるかの分かれ目となります。
結論
デスクリジェクトは想像以上によくあることです。ジャーナル編集者は毎日何百もの研究論文を精査していることを忘れないでください。つまり、論文のフォーマットを正しく整えることで、編集者の負担を軽減し、あなた自身にもメリットをもたらすことができるのです。
論文のフォーマットは専門家に委託することも可能です。これにより時間を節約し、研究のより重要な側面に集中することができます。とはいえ、投稿前に必ずジャーナルのガイドラインをよく読み、論文提出時に完璧に遵守されていることを確認してください。
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この記事はEditage Insights 英語版に掲載されていた記事の翻訳です。Editage Insights ではこの他にも学術研究と学術出版に関する膨大な無料リソースを提供していますのでこちらもぜひご覧ください。
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