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2016年

責任ある出版リソース連合の活動報告 2016614

ハゲタカ出版等に対抗して責任ある学術出版を守ろうとする連合、Coalition for Responsible Publication Resources (CRPR; www.RPRcoalition.org; @RPRcoalition)は、学術出版に関する無責任行為や搾取的行為についての業界内の情報を共有することによって、学術文献の信頼性を守るという使命の遂行にさらに一歩近づいています。CRPRは、業界規範、ガイドライン、ベストプラクティスに沿った責任ある出版サービスの透明性、見つけやすさ、説明責任の確保にも取り組んでおり、論文著者が出版サービスを探すときや学術論文を発表するときに、十分な情報に基づいて判断を下せるようにすることを目指しています。CRPRは、大学、学術会議、出版社、専門誌、出版サービス、医薬品業界、出資者、行政当局間のコミュニケーションとコラボレーションを、世界規模で促そうとしています。

 

カクタス・コミュニケーションズの1部門であるエディテージの米国法人代表で、CRPRの発展を率いるドナルド・サミュラック博士は今日、米コロラド州デンバーで開催された国際科学編集者会議(CSE; www.councilofscienceeditors.org)の席上で、エディテージがCRPRの管理基盤やウェブおよびソフトウェア技術の本格開発に着手するための開発資金が、5社から提供されることを発表しました。Atlantis Press、Cabell’s International、Canadian Science Publishing(カナダ科学出版社)、エディテージ/カクタス・コミュニケーションズ、ウォルターズ・クルワー(アルファベット順)はいずれも、CRPRの基盤構築に向けて実務面でも財政面でも貢献してきました。暫定的な設立メンバーであるこれら5社は、2016年後半にCRPRを独立自治の米国の非営利組織として法人化するにあたり、設立メンバーとして承認される予定です。

 

サミュラック博士は業界の支援に対し、感謝の意を表明しています:「エディテージにとって、CRPRの必要性は明白でした。個人や不正ビジネスによる搾取的で無責任な詐欺行為から生み出された論文の撤回が大々的に報じられた結果、ここ数年間で学術文献の信用が徐々に蝕まれて行くのを目の当たりにしてきたからです。私たちは、業界としてこの問題に一致団結して協力して取り組むことが極めて重要であるということを話し合いました。また、出版プロセスの土台である基本的信用を奪った不正行為に、いかに効果的に先手を打つべきかを説き続けてきました。私たちはCRPRとして、出版サイクルの初期段階で不正行為を発見するための基盤を構築します。そうすれば、自ら責任感と倫理観を持って行動している、学術文献の存続と信頼性に資する出版リソースの見極め方を、著者に教えることができるでしょう」。

 

無責任行為や搾取的行為は、出版プロセスの基軸であるほぼすべての面(論文の起草、オーサーシップの帰属、掲載を約束して投稿を勧誘する行為、査読プロセス、特定のジャーナルにおける編集委員の偽装、類似ジャーナル、ジャーナルの乗っ取り、ジャーナルの指標、著者向けサービス)で見られるのが現状です。

 

Atlantis Press(www.atlantis-press.com)のディレクターであるゼーガー・カーセン氏は次のように述べています。「学術出版界は、グローバル化が進んでおり、拡大し続ける出版社と著者向けサービスのコミュニティから影響を受ける業界です。そのような業界においては、出版物の信頼性を維持するために、あらゆる関係者がプロフェッショナルで責任ある行動を取るための明確な方向性が必要です」。

 

Cabell’s International (www.cabells.com)のビジネス開発部門バイス・プレジデントであるレイシー・アール氏はこう補足しています。「私たちは、CRPRの取り組みを支援できることに高揚を感じています。このコラボレーションを通じて、学術コミュニティに寄与し、世界的な学術研究の信頼性を守るという共通目標を達成できればと願っています」。

 

Canadian Science Publishing (CSP; www.cdnsciencepub.com)のエクゼクティブ・ディレクターであるスザンヌ・ケトレー氏は次のようにコメントしています。「ハゲタカ的組織はここ数年、活発に動いていますが、最近では詐欺の手口がより巧妙化しており、この業界で活動する我々関係者でさえも、見極めが難しくなっています。CRPRのような業界全体での取り組みは、研究者にとって信用できるコミュニケーションシステムを確保するために欠かせないステップでしょう。ですからCSPとしては、必要とされているこの取り組みに、進んで支援を行います」。

 

また、ウォルターズ・クルワー(www.wolterskluwer.com)のグローバル出版/ヘルス・ラーニング/リサーチ&プラクティス部門バイス・プレジデントであるジェイン・マークス氏は次のように述べています。「学術出版における搾取行為の蔓延により、世界的に、著者が自分の業績のためのリソースを見極め、信用することがますます難しくなっています。このCRPRの発展を温かく見守り、学術論文の信頼性を維持するという使命に十分な支援を行いたいと思います」。

 

CRPRは、共に手を携えて、リソース、戦略、ツールの開発を促進して行く予定です。その目的は、著者が信頼できる出版リソースと出版行為を見極める手助けをすることだけにとどまりません。業界のリソースの当事者として、CRPRメンバー自身が説明責任を果たせる状態(これはCRPRのメンバーシップの基本原則の1つ)を担保し、学術コミュニティにサービスを提供する際の業界規範、ガイドライン、ベストプラクティスを維持・整備して行くためでもあるのです。