エディテージ・グラント2024次点を受賞-大井 由貴さんにインタビュー

エディテージ・グラント2024にて次点に入賞した大井 由貴さんに、入賞した喜びやご自身の研究について、グラントに応募して感じたことなどを語っていただきました。

大井 由貴さんプロフィール
Yuki Oi


京都大学医学部医学科を卒業後、脳神経内科に進み、臨床経験を積む。その後、ヒトの認知機能に興味を持ち、博士課程に進学。Japan Mensa役員やライフセーバーなどユニークな活動と両立させ、現在はカリフォルニア大学サンディエゴ校で神経科学部門のポスドクとして勤務している。研究テーマはアルツハイマー病治療薬の副作用であり、その予測手法の開発に挑戦中。

行動原理は「医学知識は病院の外でこそ必要とされている」。旺盛な好奇心は常に分野を越え、多様な人々との交流を求めて多様な経歴に繋がった。その経験の幅があることにより、難解に思われがちなテーマを好んで探求し、誰もがその面白さを感じられるように解きほぐして伝えることを得意としている。

エディテージ・グラント2024次点を受賞して

賞金ももちろん嬉しいですが、入賞したことで自分がやってきたこと、これからやっていくことはこの方向でいいんだ、と感じられるようになった事はとても大きく、今でも心の支えの一つになっています。

ご自身の研究について

認知症の初期において、認知機能の低下が軽度もしくは低下前の段階の脳MRI画像を用いて将来的な認知症発症を予測する手法の開発を行っています。

アルツハイマー病治療薬によるアミロイド関連画像異常(ARIA)は、脳浮腫や微小出血を引き起こし、治療継続を困難にする場合があります。このARIA発症リスクを事前に予測する手法の開発が現在の挑戦です。実現すれば、個別の治療戦略が可能となり、より安全な治療の提供に繋がると期待されます。

エディテージ・グラントに応募した理由

駆け出しの研究者にとって、実績がないからグラントが取れないということは珍しくありません。一方で本グラントは「これまでに論文を投稿していない方や、資金援助を受けていない方」が優先とありました。このレギュレーションであれば十分に勝算があると考え、応募いたしました。

エディテージ・グラントに応募してみて感じたこと

上記の理由から、エディテージ・グラントは、まだ実績の少ない、もしくはグラント受賞経験のない若手研究者にやさしいグラントという点が特筆すべき点だと感じました。

授賞式には、過去の受賞者も参加していたのがとにかく良かったです。授賞式が研究キャリアのピークになるのではなく、過去に受賞した人がそれを機にどのようにキャリアを飛躍させていったのかを知ることができました。今でも交流が続いている方もおり、過去の受賞者との交流ができたことは大変感謝しています。若手研究者として、横のつながり、特に異分野の若手との接点が極めて少ない点については気になっています。その点で、普段なら全く接点のない分野の若手研究者と交流できた点で授賞式は貴重な体験でした。

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この記事を書いた人

2002年に設立された、カクタス・コミュニケーションズの主力ブランドであるエディテージの目指すところは、世界中の研究者が言語的・地理的な障壁を乗り越え、国際的な学術雑誌から研究成果を発信し、研究者としての目標を達成するための支援です。20年以上にわたり、190か国以上の国から寄せられる研究者の変わり続けるニーズに対応し、研究成果を最大限広く伝えられるよう、あらゆるサポートを提供してきました。
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