論文は書けているのに、なぜ投稿前で止まってしまうのか ── 3人の研究者が語るフォーマット調整との向き合い方 

Three Researchers Discuss Their Approach to Format Adjustment

こんにちは。エディテージでマーケティングを担当している竹内です。今回、エディテージの論文フォーマット調整サービスを利用している研究者の方々に、 「なぜフォーマット調整を外部に任せる判断に至ったのか」について、お話を伺いました。論文を書き上げた後、投稿規定のことを考えると手が止まる。海外ジャーナルへの投稿経験がある研究者であれば、この感覚に覚えがあるのではないでしょうか。やるべきことは明確なのに、なぜか気持ちが前に進まない。投稿規定、引用形式、レイアウトなど、論文の「中身」とは直接関係のない工程が、思った以上に研究者の時間と集中力を奪っていきます。 

本記事では、分野もキャリアも異なる3名の研究者が、投稿ガイドラインを遵守するための工程とどのように向き合ってきたのかをご紹介します。 

目次

正直、一番めんどくさい作業です~多田先生に聞いてみた 

多田塁先生 プロフィール 

東京薬科大学 薬学部 免疫学教室 准教授 

感染症克服をめざしたドラッグデリバリーシステム(DDS)技術を基盤とする予防・治療法の開発を主な研究領域としており、粘膜ワクチンやリポソームを活用した免疫応答の制御に取り組んでいる。また、フランス・パストゥール研究所でポスドクとして研究に携わるなど、国際的な研究経験も有する。 

竹内「まず、論文を書くこと自体について伺いたいのですが、英語での論文執筆のご経験は長いんですか?」 
 
多田「そうですね。フランスで2年半ぐらいポスドクをやっていて、英語を書くのは好きなのもあり日本語を介さずに、そのまま英語で論文を書いています。今はAIもあるので、執筆自体はあまり悩まずに、サクサク書けちゃいますね」
 
竹内「投稿については何か負担に感じることはありますか?」 
 
多田「あります。正直に言うと、フォーマット調整が一番めんどくさいです。リジェクトされた後に、投稿先を変えて形式を整え直すのが毎回大変で…」 
 
多田「しかも、適当にフォーマット調整すると『形式が違う』と返ってきてしまうこともありました。1週間ぐらいして戻ってきてまた出し直す。そうすると出版がどんどん遅れていく。自分でやれば対応できる作業ではあるんですけど、やっぱり間違えることも多いので、そこは不安がありました」 
 
竹内「そうした中で、フォーマット調整を外部に任せるようになったきっかけは何だったんでしょうか?」 
 
多田「1万円以内で安価にできるって聞いたのがきっかけですね。それだったら、使ってみようかなって思いました。実際に頼んでみると、2営業日とかで返ってくるので自分でやるより早いなと感じました。でも最初は外部に任せることへの不安は少しありましたね。お願いして戻ってきたものを出した時に、ジャーナルから形式の不備を指摘されることはないのかな、とは思いました。 」

竹内「実際に論文フォーマット調整サービスを使ってみていかがでしたか?」 

多田「すごく助かってます。今後もフォーマット調整については使っていくと思います。特に投稿が続く時期は、外部に任せた方がいいなと感じています」 


執筆そのものよりも、投稿前の形式調整に負担を感じていた多田先生。時間がかかり、ミスも起こりやすく、再投稿になれば出版も遅れてしまう。そうした現実を踏まえたうえで、フォーマット調整を外部に任せるという判断は、研究を止めないための現実的な選択だったように感じられました。 

フォーマット調整だけで、1週間かかったこともありました~田中先生に聞いてみた 

田中 照佳先生 プロフィール 

近畿大学 農学部 水産学科 准教授

食品科学と生命科学の分野を横断しながら研究を行い、現在は近畿大学水産学科にて水産物の健康機能性に関する研究に取り組む。 

食品科学と生命科学の分野を横断して研究を続ける田中先生は、ここ数年で AIツールの活用が進み、論文執筆の進め方が大きく変わったといいます。 

竹内「論文を書くところまでは、最近かなりスムーズになってきたと伺いました」 
 
田中「そうですね。AIも使えるようになって、書くスピードはだいぶ上がりました。データ整理とか文章作成は、前より楽になった感覚はあります」 
 
竹内「その一方で、投稿前の段階では時間がかかることもあると」 
 
田中「そうですね。特に再投稿のときに、内容は変えていないのにフォーマットを合わせ直すだけで時間が取られます。まとめて一気にできる作業じゃないので、ちょこちょこやっていると、下手したら1週間ぐらいかかることもあります」 
 
竹内「それは、想定以上に時間がかかりますね」 
 
田中「自分でやると、やっぱり間違いが出やすいですね。規定が細かいので。時間かけた終わりに、『ここ違いますよ』って言われることもありますしね。エディターの前の段階で返ってくることもあります。そこに時間かけるなら、エディテージに頼んで調整してもらったほうが確実だなと思いました。エディターやレビュアーには、きちんとした形で論文を見てもらいたいので」 
 
竹内「率直に、論文フォーマット調整サービスを使ってみての印象はいかがでしたか?」 
 
田中「満足度は高いです。自分でやりだすと投稿までに時間も労力もかかるので、それを一発で解決できるならすごくいいと思います。また使いたいですね」 


田中先生が語っていたのは、再投稿のたびに発生する調整作業を、どう確実に処理するかという視点でした。時間をかけても差し戻される可能性がある工程を外部に任せることで、投稿までの流れそのものが安定してきたようです。 

フォーマットのことを考えると執筆作業が前に進まなくなる~吉田先生に聞いてみた 

吉田英彰先生 プロフィール

盛岡大学 文学部児童教育学科 准教授 

教育方法学・教育工学・教育評価学を専門とする。岩手県の公立小学校で約22年間にわたり教壇に立った経験を持ち、教育現場の実践と研究をつなぐ教員養成に従事。現在は、アセスメントや自己・共調整学習、AIを活用した学習支援など、これからの学びの在り方をテーマに研究を行っている。  

吉田先生は、小学校教員として20年以上、教育現場に立ってきました。子どもたちと向き合う日々のなかで、研究にまとまった時間を割くことは簡単ではなかったといいます。 
 
吉田「研究を続けたいという気持ちはありましたが、現実的にはなかなか時間が取れませんでした」 

研究にきちんと向き合う時間を確保したい。その思いから、吉田先生は大学教員への転身を決めました。大学に移った当初は、研究と教育を両立しながら、腰を据えて研究を進められる環境が整ったと感じていたそうです。 
 
竹内「大学に移られてから、研究の進め方に変化はありましたか?」 
 
吉田「研究の時間は取れるようになりましたね。ただ、海外ジャーナルに投稿するようになってから、論文の執筆中に手が止まることが増えてきました」 
 
竹内「どのあたりで止まってしまう感覚があったんでしょうか?」 
 
吉田「引用を入れる時とか、フォーマットのことを考え始めた時です。引用の入れ方を気にし始めると、その時点で執筆作業が前に進まなくなるんですよね。一度フォーマット調整に入ると、頭の使い方が完全にそっちに切り替わってしまう。そもそも、まずジャーナルのウェブサイトを見に行ってフォーマットガイドを探すんですけど、見つかる時となかなか見つからない時があり、それだけで時間を使ってしまうなんてこともありました。」 
 
竹内「執筆の途中で、作業の性質が変わってしまうような」 
 
吉田「そうですね。研究内容を考えていた流れが、そこで一回切れてしまう感じがありました」 
 
竹内「そうした状況を踏まえて、今はどのように進めているんでしょうか?」 
 
吉田「今は、フォーマット調整はエディテージの論文フォーマット調整サービスに任せています。そうすると形式を気にせずに、まず引用をドンと入れて、そのまま次の文を書き始められる。思考が止まらずに進められるのがすごく助かっています。最後にフォーマット調整をやってもらえる安心があることで、書くことに集中できるようになりました」 
 
竹内「今後の論文執筆については、どのように考えていますか?」 
 
吉田「これから研究に軸足が移って、年に2、3本と論文を出すようになったら、論文フォーマット調整サービスをもっと活用していきたいと考えています」 


執筆の途中で思考が切り替わってしまう感覚をきっかけに、吉田先生はフォーマット調整を自分の作業から切り分け、外部に任せる選択をしていました。そうすることで研究内容に集中できる状態を保とうとしていた点が、印象に残りました。 

おわりに 

フォーマット調整は、投稿のために欠かせない工程です。一方で、その扱い方次第では、研究の流れを分断したり、出版を送らせてしまったりすることもあります。今回のインタビューを通して、論文の中身はすでに書けているのに、投稿前の段階で手が止まってしまう状況は、研究者の方々にとって決して珍しいことではないと強く感じました。 

その背景には、作業量の多さだけでなく、形式の不備が差し戻しやデスクリジェクションにつながるという現実があります。自力で規定を読み込み、丁寧に整えたつもりでも、細かな違いが見落とされてしまうことは少なくありません。この「間違っているかもしれない」という不確かさが、投稿前の工程を時間と集中力を要するものにしているのかもしれません。 

  • 論文を書くこと。 
  • 投稿すること。 
  • そして、次の研究に進むこと。 

研究のフェーズや投稿状況に応じて、なにを自分で行い、どこで外部の力を借りるのか、その判断を見直していくことも一つの選択肢と言えるでしょう。 

研究の流れを止めずに投稿規定に対応するなら? 

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この記事を書いた人

2002年に設立された、カクタス・コミュニケーションズの主力ブランドであるエディテージの目指すところは、世界中の研究者が言語的・地理的な障壁を乗り越え、国際的な学術雑誌から研究成果を発信し、研究者としての目標を達成するための支援です。20年以上にわたり、190か国以上の国から寄せられる研究者の変わり続けるニーズに対応し、研究成果を最大限広く伝えられるよう、あらゆるサポートを提供してきました。
今日、エディテージは専門家によるサービスとAIツールの両方を用いて、研究のあらゆる段階で便利に、安心して使っていただける包括的なソリューションを提供しています。

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