エディテージ・グラント2024にて次点に入賞した菊池 脩太さんに、入賞した喜びやご自身の研究について、グラントに応募して感じたことなどを語っていただきました。
菊池 脩太さんプロフィール
Shuta Kikuchi
2013年-2017年 早稲田大学 先進理工学部 生命医科学科
2017年-2019年 早稲田大学大学院 先進理工学研究科 生命医科学専攻 修士課程
2019年-2024年 ライオン株式会社
2021年-2024年 慶應義塾大学大学院 理工学研究科 基礎理工学専攻 物理情報専修 後期博士課程
2024年-現在 慶應義塾大学大学院 理工学研究科 特任助教
修士課程までは生命科学を専攻とする研究科に在籍し、腸内細菌と免疫の関係や新規な環境微生物のゲノムおよび生理学的性質について研究。修了後、ライオン株式会社にて、製品の身体や環境に対する安全性評価や防腐力評価といった商品開発関連業務に加え、ウイルス実験やシミュレーション技術を用いた感染症予防研究に従事。また、業務とは別に在職しながら後期博士課程に在籍し、量子アニーリングマシンを含むイジングマシンのハードウェア制限を緩和するアルゴリズムの研究を実施。博士号取得後、慶應義塾大学大学院 理工学研究科にて特任助教を務める。

受賞した研究内容について
量子アニーリングマシンは、組合せ最適化問題を高速・高精度に解くことが期待されている計算機です。本研究は,社会課題の中で、量子アニーリングマシンを用いることによって解決が促進されるような課題を探索する研究です。
エディテージ・グラント2024次点を受賞して
エディテージ・グラント2024にて次点を受賞させていただき、大変光栄に思っております。自分の研究を評価していただけたことが純粋に嬉しく、今後の研究活動の大きな励みになりました。助成金に加え、エディテージPLUSライセンスを贈呈してくださり、研究推進・論文執筆に使用させていただきました。
ご自身の研究について
量子アニーリングマシンを含むイジングマシンの性能を引き出すことを目的に研究をしています。ハードウェア制限を緩和するアルゴリズムの開発や、高精度な解を導くための定式化方法の比較、機械学習を用いて計算可能な問題を拡張するブラックボックス最適化手法の性能評価をしています。また,量子アニーリングマシンやイジングマシン以外の研究をしてきた私の背景を活かして、適用可能なアプリケーション探索にも興味を持って研究しています。
この研究に興味を持ったのは、実用化された際に社会に大きなインパクトを与える技術であると考えたからです。組合せ最適化問題は社会に幅広く存在しています。それらに対して量子アニーリングマシンやイジングマシンが効果的に作用すれば、今の常識が変わって想像もしなかった未来につながるかもしれないと思い、その研究に携わりたいと考えるようになりました。
エディテージ・グラントに応募した理由
エディテージ・グラントは、エディテージの英文校正サービスを利用させていただいた際、ホームページから知りました。「社会にインパクトを与えたいと願う若手研究者」をサポートするという理念に加え、これまで資金援助を受けていない方を優先するという内容に魅力を感じました。私は、現職に至る前は民間企業に在籍していたため公的な研究費の申請は難しく、資金援助は受けていませんでした。これから研究を推進していこうとする私にぴったりのプログラムであると感じたため、応募を決意しました。
エディテージ・グラントに応募してみて感じたこと
多くの方々に支えていただき日々の研究活動ができていることを強く実感しています。エディテージ・グラントのように資金援助をしてくださる方々や、日々ご指導くださる研究室の先生、議論を重ねながら切磋琢磨できる研究室のメンバー、そして精神的にも生活面でも支えてくれる家族の存在には感謝の気持ちでいっぱいです。