見えない敵を可視化せよ!マラリア研究を加速させるレポーター技術とは?

本記事ではエディテージのグラフィカルアブストラクト制作サービスを通して、研究プロモーションをされている研究者の方とその研究論文をご紹介します!

宮崎 真也 先生プロフィール

Shinya Miyazaki

薬学博士
長崎大学 熱帯医学研究所 原虫学分野
主な研究分野:寄生虫学、分子生物学

ヒト病原体である熱帯熱マラリア原虫の基礎研究を進めています。特に、マラリア原虫のレポーターラインを用いた創薬・ワクチン開発、マラリア原虫が感染した赤血球のヒト細胞への接着機構に関心を持ち、研究しています。

Researchmap: 宮崎 真也 (Shinya Miyazaki) – マイポータル – researchmap

Laboratory: https://www.tm.nagasaki-u.ac.jp/protozoology/

論文紹介

https://doi.org/10.1016/j.pt.2024.09.003

Miyazaki Y, Miyazaki S*

Reporter parasite lines: Valuable tools for the study of Plasmodium biology.

Trends in Parasitology. Nov;40(11):1000-1015. doi: 10.1016/j.pt.2024.09.003. Epub 2024 Oct 9. (*Corresponding author)(Review)

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1471492224002460?via%3Dihub

長崎大学プレスリリース:https://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/science/science360.html

蛍光タンパク質やルシフェラーゼは、その蛍光および生物発光シグナルの利便性から、ライフサイエンス分野において広く利用されているレポータータンパク質です。これらのタンパク質を発現する遺伝子改変レポーターマラリア原虫は数多く開発されており、ヒトや蚊体内におけるマラリア原虫の動態や性質の解明に大きく貢献してきました。さらに、こうしたレポーターマラリア原虫は基礎研究にとどまらず、抗マラリア薬やワクチンの開発研究にも応用されています。

遺伝子改変レポーターマラリア原虫は、20年以上前に初めて作出されて以来、世界中のマラリア研究者によって多様なアイデアや技術が導入され、数多くの系統が開発されてきました。これらの原虫は極めて有用な研究ツールであり、その性質や応用を体系的に整理・議論することが重要です。

私たちはこれまでに、緑色蛍光タンパク質(GFP)やNanoLucなどのレポータータンパク質を発現する複数の遺伝子改変マラリア原虫を創出し、この研究分野をリードしてきました(参考文献1~3)。これらの研究を通じて得られた知見を基に、私たちは主に過去5年間に報告された遺伝子改変レポーターマラリア原虫を整理・概説した総説を発表しました。本総説は、寄生虫学に関心を持つ研究者や学生の方々を主な対象として執筆しており、本分野の現状と今後の展望を共有することを目的としています。

参考文献

  1. Miyazaki Y*, Vos MW, Geurten FJA, Bigeard P, Kroeze K, Yoshioka S, Arisawa M, Inaoka DK, Soulard V, Dechering KJ, Franke-Fayard B, Miyazaki S*
    A versatile Plasmodium falciparum reporter line expressing NanoLuc enables highly sensitive multi-stage drug assays.
    Communications Biology. 2023 Jul. doi: 10.1038/s42003-023-05078-5 (*Corresponding author)
    https://www.nature.com/articles/s42003-023-05078-5
    長崎大学プレスリリース:https://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/science/science314.html
  1. Miyazaki S*, Yang ASP, Geurten FJA, Marin-Mogollon C, Miyazaki Y, Imai T, Kolli SK, Ramesar J, Chevalley-Maurel S, van Gemert GJ, van Waardenburg YM, Franke-Fayard B, Hill AVS, Sauerwein RW, Janse CJ*, Khan SM
    Generation of novel Plasmodium falciparum NF135 and NF54 lines expressing fluorescent reporter proteins under the control of strong and constitutive promoters.
    Front Cell Infect Microbiol. 2020 Jun 10;10:270. doi: 10.3389/fcimb.2020.00270. (*corresponding author)
    Frontiers | Generation of Novel Plasmodium falciparum NF135 and NF54 Lines Expressing Fluorescent Reporter Proteins Under the Control of Strong and Constitutive Promoters
  1. Marin-Mogollon C, Salman AM, Koolen KMJ, Bolscher JM, van Pul FJA, Miyazaki S, Imai T, Othman AS, Ramesar J, van Gemert GJ, Kroeze H, Chevalley-Maurel S, Franke-Fayard B, Sauerwein RW, Hill AVS, Dechering KJ, Janse CJ, Khan SM
    A P. falciparum NF54 Reporter Line Expressing mCherry-Luciferase in Gametocytes, Sporozoites, and Liver-Stages.
    Front Cell Infect Microbiol. 2019 Apr 16;9:96. doi: 10.3389/fcimb.2019.00096. eCollection 2019.
    Frontiers | A P. falciparum NF54 Reporter Line Expressing mCherry-Luciferase in Gametocytes, Sporozoites, and Liver-Stages

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エディテージのグラフィカルアブストラクト制作サービス

研究プロモーションへの意気込み

マラリアは、世界中で甚大な数の感染者と死者を出している感染症であり、新たな薬剤、ワクチン、診断法の開発など、さまざまな対策が求められている重大な国際的健康課題です。このマラリアという感染症の実態や、その克服に向けて寄生虫学の研究者がどのような研究に取り組んでいるのかを、研究者のみならず一般の方々にも広く知っていただきたいと考えています。その一環として、今回は私たちが進めているレポーターマラリア原虫に関する研究を紹介し、その意義と魅力を発信したいと思います。

エディテージのグラフィカルアブストラクト制作サービスを使って

エディテージの英文校正には、これまで幾度もお世話になっております。新たなジャーナルへ挑戦する際には、英語表現の校正にとどまらず、内容や論理構成にまで踏み込んだ的確なフィードバックをいただき、大変満足しております。

今回はさらに、研究プロモーションサービスとしてグラフィカルアブストラクトの制作を依頼いたしました。その結果、私たちの研究成果が一目で伝わる素晴らしいアブストラクトが完成したと実感しています。草案に対する追加修正にも丁寧にご対応いただき、アブストラクト中の説明文も対象論文の内容を的確に反映していました。

今後も、新たなジャーナルへ投稿する際には、ぜひエディテージの英文校正サービスを利用させていただきたいと考えております。

利用サービス


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この記事を書いた人

2002年に設立された、カクタス・コミュニケーションズの主力ブランドであるエディテージの目指すところは、世界中の研究者が言語的・地理的な障壁を乗り越え、国際的な学術雑誌から研究成果を発信し、研究者としての目標を達成するための支援です。20年以上にわたり、190か国以上の国から寄せられる研究者の変わり続けるニーズに対応し、研究成果を最大限広く伝えられるよう、あらゆるサポートを提供してきました。
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